マンサク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マンサク(満作、Hamamelis japonica Sieb. et Zucc.)はマンサク科の落葉小高木。日本各地の山林に多く自生するほか、花木として栽培もされる。
葉は互生し、楕円形で波状の鋸歯がある。2~3月に葉に先駆けて花が咲く。花にはがく、花弁と雄蕊および仮雄蕊が4個ずつあり、雌蕊は2本の花柱を持つ。がくは赤褐色または緑色で円い。花弁は黄色で長さ1.5cmほどの細長いひも状になる。果実はさく果で2個の大きい種子を含む。
マンサクの語源は明らかでないが、早春に咲くことから「まず咲く」が訛ったものともいう。
マンサクは本州の太平洋側から九州に分布する。さらに亜種・変種として、本州中部以北のオオバマンサクsubsp. megalophylla、北海道南部から日本海側のマルバマンサクsubsp. obtusata、北陸地方のウラジロマルバマンサクvar. discolor、近畿・中部地方のウラジロマンサクvar. glauca、中国・四国地方のアテツマンサクvar. bitchuensisがある。花弁の赤い品種をアカバナマンサクf. incarnataという。
マンサク属は東アジアと北米に分布し、4種ほどに分けられている。中国原産のシナマン サクH. mollisと日本のマンサクとの雑種H. x intermediaには多くの園芸品種が作出され、よく栽培されている。
北米原産のアメリカマンサク(ハマメリス:H. virginiana)はマンサクによく似るが、花は秋に咲く。葉・樹皮のエキスは収斂薬や化粧水として古くから使われている。