ムチン
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ムチン(mucin)は動物の上皮細胞などから分泌される粘液の主成分として考えられてきた物質である。植物にも含まれるほか、一部の菌類も分泌する。
実際には分子量100万~1000万の、糖を多量に含む糖タンパク質(粘液糖タンパク質)の混合物であり、細胞の保護や潤滑物質としての役割を担っている。
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[編集] 構造
ムチンはアポムチンと呼ばれるコアタンパクが、無数の糖鎖によって修飾されてできた巨大分子の総称である。コアタンパクの主要領域は大半がセリンかスレオニンからなる10~80残基のペプチドの繰り返し構造であり、このセリンまたはスレオニンの水酸基に対し、糖鎖の還元末端のN-アセチルガラクトサミンがα-O-グリコシド結合(ムチン型結合)により高頻度で結合している。
一般的に、糖鎖はN-アセチルガラクトサミン、N-アセチルグルコサミン、ガラクトース、フコース、シアル酸などから構成される。糖鎖はムチンの分子量の50%以上を占め、ムチンのもつ強い粘性や水分子の保持能力、タンパク質分解酵素への耐性など、さまざまな性質の要因となっている。
ムチンには、上皮細胞などが産生する分泌型ムチンと、疎水性の膜貫通部位を持ち細胞膜に結合した状態で存在する膜結合型ムチンがある。
ムチンのコアタンパクは総称してMUCと呼ばれており、発見順に番号が振られている。このコアタンパクをコードする遺伝子は、ヒトでは少なくとも19種類(MUC1, 2, 3A, 3B, 4, 5AC, 5B, 6, 7, 8, 9, 11, 12, 13, 15, 16, 17, 18, 19)あることが分かっており、うちMUC2, 5AC, 5B, 6は分泌型ムチン、MUC1, 3A, 3B, 4, 12は膜結合型ムチンである。
[編集] 性質
一般的にぬめりがあり、保水性が非常に高い。精子から得られたムチンを放射線処理して樹脂化したものは、1gで5Lもの水を蓄える事が可能であることから、さまざまな目的に使えるとして期待されている。
タンパク質が主成分であるため、加熱によって変質・分解する。
[編集] 動物中のムチン
口腔、胃、腸をはじめとする消化器官や鼻腔、目の表面の粘膜はすべてムチンに覆われている。
また、鰻をはじめとする一部の魚類特有のぬめりもムチンである。
[編集] ムチンを含む食品
[編集] 関連項目
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