リチウム電池
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狭義のリチウム電池(リチウムでんち)とは、広義の乾電池(一次電池)の一種である。
リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池とは異なる。
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[編集] 原理
代表的なリチウム(一次)電池は正極に二酸化マンガン、負極に金属リチウム、電解液として有機溶媒にリチウム塩を溶解させたものを用いている。化学反応式は次の通りである。
- 正極 MnIVO2+Li++e-→MnIIIO2(Li+)
- 負極 Li → Li++e-
負極に用いられている金属リチウムは、反応性が極めて高いので、アルミニウム等との合金を用いる場合も多い。
リチウムは水分と速やかに反応して水素を発生してしまう事から、電解液の溶媒には、有機溶媒を用いる。 プロピレンカーボネートやγ-ブチロラクトン、ジメトキシエタン等が多く用いられる。 また、電解質には、無機・有機の含フッ素化合物や過塩素酸のリチウム塩が用いられる。
公称電圧は、通常は3Vである。
メーカーや製品により、異る正極負極材を用いる製品もあり、 例えば、アルカリ乾電池などと互換性を持たせるため1.5Vの公称電圧にした製品もあるが、 これらの電圧の違いは、正極または負極両方またはいずれかを異る材料を用いる事で実現する。
[編集] 特徴
リチウムは金属のうち最大のイオン化傾向を持ち、非常に低い電位を持つ為、これを負極として用いると、正極との電位差が開き、高い電圧が得られる。また、その原子の大きさが小さいため、容量が非常に大きく(マンガン乾電池の約10倍)、放電末期まで電圧降下が少なく、自己放電が少なく、寿命が5年ほどあるため、コンピューターのメモリバックアップ用途に用いられることが多い。
用いる有機溶媒に水よりも融点の低い溶媒を選んで用いる為、低温でも使用可能である。
[編集] 用途
外形としては、
- コイン型(ボタン型)
- 円筒型(単1型~単5型と同型、ただし電圧は異なることが多い)
- 円筒型を複数個並べた形状のもの(電池ホルダにそのまま収まり、複数個のアルカリ乾電池等と互換性がある)
- ボタン形に端子を付けたもの(メモリーバックアップなど、交換の頻度が少なく高信頼性を要求される用途)
- 円筒形で、正極にピンを付けたもの(電気浮き用)
- 006P形(3個直列9Vで電圧の互換性がある)
などの製品がある。
コイン型の製品の規格は、例えばCR2032などのように、6桁の型番で表される。これは直径が20mm、高さが3.2mmであることを示す。
主な用途は、各種の電子機器(電源用、メモリーバックアップ用)、リモコン、カメラ、電子メータ、LEDを点灯させるキーホルダーや電気浮きなどがある。LEDを点灯させるには2V前後(赤色・黄色などの場合)の電圧が必要であるため、1個のセルで3Vが得られるリチウム電池は好都合である。
最近では住宅用火災警報器への需要も高まり、10年間電池を取り替えることなく安定した電源として使えるリチウム電池の本領を遺憾なく発揮している。