リネージュ
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リネージュ(Lineage)は、韓国の同タイトルの漫画(著者:シン・イルスク)を原作とし、韓国で開発されたMMORPG。日本でのサービスはエヌシージャパンが運営。MMORPGとしてはかなり古い方ではあるが、現在も依然として人気があり、多くの常連ユーザーを抱えている。 2007年4月3日(火)メンテナンス後より初心者エリアが大幅にリニューアルされることになった。詳しくは公式サイトを参照。
後継作にリネージュIIがある。
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[編集] 特徴
基本的にはモンスターとの戦闘を行うことでキャラクターを成長させるレベル方式の、MMORPGとしては比較的スタンダードな仕様。プレイヤー同士の戦闘(PvP)は、1対1で行う「決闘」から、血盟(クランとも呼ばれる)という派閥システムを利用した大規模戦闘(攻城戦)までが用意されていて、特に攻城戦はリネージュの最大の特徴とも言える。
2Dのゲームのため、比較的低スペックのPCでも遊ぶことができる。他ゲームには無い「全体チャット」(Lv30以上のキャラクターなら誰でも参加できる、サーバー内のあらゆる人に届くチャットシステム)も特徴的である。
また、飽くなき強さを追い求められることも特徴で、以下のようなシステムが代表的。
- 変身による戦闘能力の向上
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- 変身の種類によってはLv制限があり、高性能な変身ほど高レベルを要求される。
- OE(オーバーエンチャント)
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- これにより、理論上はほぼ無限に自身を強化し続けることが可能。
- 高レベルの恩恵
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- 上記の変身のほか、Lv51以上のみレベルアップ後にいずれかのパラメータを+1できる。
- 初期ステータス配分
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- 好きに振りたいと思うかもしれないが一度決めると二度と変更できないため、攻略サイトのデータなどを参考に慎重に振ったほうが良い。
- 初心者育成
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- 昔に比べると、初心者の育成がかなり楽になっている。最初からいろいろな街に行くことも可能。
[編集] サーバの一覧
韓国、台湾、日本、アメリカの四カ国でサービスが行われている。日本国内のサーバは、以下の6つ(名前の後の日付はサービス開始日)。
- Sirius(シリウス) - 2001年6月23日
- Canopus(カノープス) - 2001年11月9日
- Vega(ベガ) - 2001年12月28日
- Arcturus(アークトゥルス) - 2002年4月12日
- Rigel(リゲル) - 2002年7月12日
- Altair(アルタイル) - 2003年6月20日
また、ベガおよびアルタイルサーバは、「Non-PvP」サーバとし、プレイヤー同士の非戦闘フィールドでの戦闘をできない仕様にしている。
[編集] ゲーム背景
「The Blood Pledge(ブラッドプレッジ)」 反王ケン・ラウヘルにより祖国アデンを追われた王子デポロジュー・デフィールが王座を取り戻すために血盟員(仲間)と共に剣を取り、立ち向かうというストーリーで、剣と魔法、血の盟約と鋼の絆が織り成す王道ファンタジーである。韓国で発売されている同タイトルの漫画が原作。所々「指輪物語」の影響を受けていると思われる。
「The Cross Rancor(クロスランカー)」 地上を追われた反王ケン・ラウヘルが地底に潜むダークエルフと手を組み、再び地上侵攻を目論むストーリー。プレイヤークラスにダークエルフが追加されたのもこのストーリーから。
[編集] キャラクター
プレイヤーは、以下のクラスと性別を任意に決めてキャラクターを作成できる。また、ステータスと呼ばれる基本的なパラメータに、あらかじめ決められたボーナスパラメータを任意に割り振ることで個性的なキャラクターメイキングができる仕組みとなっている(ただし、成長を楽にさせるための割り振りは定番があり、実際には個性をあまり発揮できない)。
- ナイト
- 肉弾戦に特化したクラス。強力な武器と防具を扱える。攻撃力に関してはダークエルフに劣るが、耐久性に関しては最も優れている。また、ダークエルフと違って魔法の恩恵がなくても十分な戦闘能力を有するため、乱戦となる戦争では活躍の機会が多い。魔法はLv50にならないと習得できない(しかも魔法レベル1のもののみ)。また、「技術書」を使用することで独自のスキルを習得することが可能。とにかく相手を斬るのみ、という単純明確さを好むユーザは多い
- ウィザード
- 魔法に特化したクラス。豊富な種類の魔法を扱うことができるが、非力なため肉弾戦には徹底的に不向き。武器・防具も、ナイトに比べると少ない種類しか取り扱うことができない。ステータス次第では大器晩成型でもある。高レベルのウィザードは強力なモンスターを召喚できるため、高難易度の狩場をソロで活動することも容易である。パーティーでの狩りでは補助中心となるが、他クラスと比べ操作が複雑かつ忙しい
- エルフ
- 弓を扱うことに特化したクラス。魔法は、ウィザードには及ばないものの扱うことができ、また独自の「精霊魔法」を扱うことができる。最もバランスがとれたクラス。瞬間的な攻撃力に劣るため、対ボス戦では他のクラスに遅れを取ることも多い(トリプルアローの実装によりかなり改善した)。早熟型で初心者にも扱いやすい。ペットを連れるプレイヤーが多いのも特徴。
- プリンス・プリンセス
- 戦闘力は「弱いナイト」。魔法はナイトより少しは多く扱える程度だが、「君主魔法」という独自の支援魔法を扱うことが出来る。もっとも成長に苦しむが、唯一「血盟」と言われる派閥を作成することができる、特殊なクラスである。君主魔法は、パーティーでの狩りの際に非常に威力を発揮するため、最近では高レベル君主の需要が高まっている。
- ダークエルフ
- サービス開始後に追加されたクラスである。魔法は、独自の「闇の精霊魔法」を扱うことができ、攻撃力を増加させる類のものを中心に扱うことができる。魔法に支えられて驚異的な肉弾攻撃力を発揮し、サービス開始当初は最強と謳われていたナイトを凌ぐ攻撃力を誇る。反面、魔法を解除されるともろく、魔法の維持に高性能の装備が要求されるため、初心者向きとはいいがたい。
[編集] ゲームシステム
[編集] プレイヤー同士の抗争
プレイヤー同士の抗争(PvP)は、「セーフティーゾーン(SafetyZone)」に指定されたエリア以外で自由にできる。
可能なエリアには、「ノーマルゾーン(NormalZone)」および「コンバットゾーン(CombatZone)」、及び特殊なエリアとしての「フリーPKゾーン(FreePKZone)」がある。
ノーマルゾーンでプレイヤーキャラクターを殺した(この行為をPKと称する)場合、次のペナルティを受ける。
- アライメントがマイナス値になり、名前が赤色表示される。(通常は白~青)
- アライメントが赤色表示になると、PKをされても相手にPKペナルティを与えることができない。赤色表示の期間は、セーフティーゾーンまたはフリーPKゾーン以外で死亡すると、所持アイテムを落とす。アライメントはモンスターを殺すことにより徐々に増え、0以上の数字にならない限りは赤色のままである。
- PKカウントと呼ばれる数字が増える。
- PKカウントが特定の値(10回)以上になると、「地獄」と呼ばれる特別なエリアへ、所定の時間転送される。
コンバットゾーン、フリーPKゾーンでは、上記のペナルティは受けない。
[編集] 血盟システム
血盟(クラン)は、プレイヤーが派閥を組む、またはコミュニティーを形成するためのシステムである。
- 血盟は、レベル5以上に成長したプリンス(プリンセス)だけが、任意の名前をつけて作成することができる。
- また、血盟には任意のマーク(エンブレム)をつけることができ、このエンブレムは血盟に所属するプレイヤーの名前と共に表示される。
- 通常の血盟は、プリンス(プリンセス)以外のクラスのキャラクターが、血盟主の承認を受けて任意に参加することができる。
- レベル45以上に成長し、なおかつ指定されたクエストをクリアした血盟主の作成した血盟には、プリンス(プリンセス)も参加することができる。
- 大規模戦闘(攻城戦)に参加し、システム的に勝利を得ようとする場合は血盟に所属する必要がある。
- 血盟員は血盟専用の倉庫を利用できる。血盟員なら誰でも出し入れは自由であるが、タイトルのない血盟員は利用できない。これは、血盟倉庫荒らしの目的で一時的に血盟に加入する行為を防止するため。
- プレイヤーの倉庫の容量には限りがあるため、血盟倉庫(通常の倉庫より容量が大きい)を利用するために、専用のプリンス(プリンセス)キャラクターを作成するプレイヤーが多い。一般に倉庫プリと呼ばれる
[編集] 攻城戦
攻城戦は、ゲーム世界にある城の所有権を争う、大規模戦闘である。
- 所有権を所持すると、城の支配するエリア内の税収を得ることができる。(その額は城によって異なる。)
- 所有権は血盟に対して付与される。従って、所有権を得るためには血盟に所属して参加する必要がある。
- ただし、参加できる血盟は、レベル25以上のプリンス(プリンセス)の血盟のみである。
- また、1人のプリンス(プリンセス)が2つ以上の城を持つことができない。
- 現実の時間で最低4日に1回、ゲーム内の夜明けより日没まで(現実時間で2時間に相当)開催される。
- 現所有者が城を防衛、所有権の奪還を狙うものが攻撃側として争う。
- 城によっては、ノンプレイヤーキャラクターが参戦する場合もある。
- ケント城とウィンダウッド城は、城の中にダンジョンの入り口を持っている。内城門という門を城主が開放しなければ、城主血盟員以外はダンジョンに入ることが出来ず、城主血盟はダンジョンに出現する特定のボスを独占出来るなどのメリットがある。
- アジトを所有している君主は、城主血盟に宣戦布告できない。
[編集] 武器及び防具の強化
武器及び防具の強化は、「強化スクロール」と呼ばれるアイテムで行う。元々定められている基礎値に加算(エンチャント)してゆくことで強化される。
- スクロールには普通の「強化スクロール」以外に「祝福された」ものと「呪われた」ものがあり、それぞれ強化の度合いが違う。
- 普通の「強化スクロール」は+1、「祝福された強化スクロール」は+1~3、「呪われた強化スクロール」は-1(ごく稀に+1)に基礎値から加算する。
- 武器を強化すると、武器名称の前にプラスまたはマイナスの数字が表記される。(手を加えていない状態では何も表示されていない。)
- 対象の武器及び防具それぞれに、リスクを負わないで安全に強化できる限界が設定されている。
- 安全圏を越えた強化は、一定の確率により対象の武器及び防具は消失する。(このような強化は「オーバーエンチャント(OE)」と呼ばれている。)既にOEされたものも強化できるが再び消失のリスクを負う。原則として強化限界をより大きく超えたものほど成功率は下がるため、高OE品になるほど価値が飛躍的に向上する。
- 生産システムや武器種類が充実していないため、オーバーエンチャントが必要となる。OEによる利益・損失はゲーム内貨幣流通の最大要因と言える。
[編集] 変身
アイテムを用いることで、キャラクターの外見及び機動性や攻撃可能頻度などのキャラクター性能を変更することができる。
- 性能が向上すれば狩りの効率や移動時間短縮が見込まれるため、狩りをする場所で多く見られる。またイベントや各種の集まりで外見の面白さから変身をする者も多い。
- 変身は時間制限があるが、アイテムを用いれば連続して変更が可能である。
- システムで定められた任意のモンスター、またはNPCに変身ができる。
- 所定のレベルを満たしていない場合は変身できないモンスターもある。
- レベル制限のあるモンスターは未変身状態より性能がよく、高レベル限定のモンスターに変身することは、レベル上げの1つの目標となっている。その中でもデスナイト(DK)という変身は全ユーザーの憧れの的となっている。
- 以前はこの変身が多くの状況において最強の変身だったが、現在は更に上位で強い変身が追加されている。
- また、イベント時にはイベントNPCにより特殊なモンスターに変身できるようになることもある。
- 実際に狩りをする上で有効な変身は限られており、レベルやクラスごとに定番の変身が存在する。
[編集] クエスト
試練と訳される。NPCから条件を提示されそれに応えられたら報酬としてアイテムや資格を得ることが出来る。クエストには、一般的なクエスト及びクラス毎に設定されるものがある。クエストで得たアイテムには有用なものもある。エンドレスなゲームを進める上で、変身とともに一定の区切りを示すものである。
[編集] GM
ゲームを管理するゲームマスターのこと。 違反行為を取り締まり、管理者権限で罰則を適用する人。 このゲームの場合、実際にはキャラクタの名前やペットの犬の名前、言動によって 管理者判断での追放が適用されることも多く、罰則適用後にゲーム罰則規定が追加 されるようなこともあったようだ。 通常、GMへの意見は暴言として罰則が適用される場合もあり、 このような場合にアカウント永久停止処置を行われたものすら存在している。 最近は事務的作業以外のユーザー交流を目的とした活動を取り戻し始め、評価は上がりつつある。
[編集] ペットシステム
リネージュには様々なペットが存在する。元々は犬(ビーグル、ウルフ、シェパード、ドーベルマン)のみであったが、順次追加され現在は犬以外も存在する。 ペットは見かけのかわいらしさのみならず、狩りの際の補助に有効なため、多くのプレイヤーが育成している。
- ペットには好きな名前を付けることができる(既に存在する名前は不可)
- ペットはプレイヤーと一緒に敵を攻撃したり、荷物を一部持たせることができる。
- ペットにもプレイヤーと同様のレベルが存在し、レベルによってHP/MPの増加、鳴き声が変わる、攻撃力が増加するなどの利点が存在する。レベルアップに必要な経験値はプレイヤーと同じであるため、Lv45以上のペットを育成するのはかなり大変である
- Lv30以上のペットは、ハイペットに進化させることができる。ハイペットに進化すると、レベルはリセットされ1からスタートとなる。HP/MPは進化前の半分となるが、レベルアップ時のHP/MPの増加量は通常のペットに比べ大きい。ハイペットは通常のペットに比べ能力が向上している
現在存在するペットは以下の14種(ハイペットを含めれば28種)
- ビーグル/ハイビーグル
- ウルフ/ハイウルフ
- シェパード/ハイシェパード
- ドーベルマン/ハイドーベルマン
- コリー/ハイコリー
- ハスキー/ハイハスキー
- セントバーナード/ハイセントバーナード
- ベアー/ハイベアー
- キツネ/ハイフォックス
- ブレイブラビット/ハイラビット
- キャット/ハイキャット
- ラクーン/ハイラクーン
- 紀州犬の子犬/紀州犬
- タイガー/バトルタイガー
[編集] 現状
2005年6月1日に運営方針が改定。 2005年7月1日にアカウントの登録内容が不正なユーザーを一斉に処分が始まった。 現在凍結されている「虚偽・不正な情報により登録されているアカウント」および「運営の妨げとなる接続が確認されたアカウント」は公式発表によると、2006年6月現在、合わせて約160,000アカウント。 現在目に見えて海外からの不正接続者が減少した。だが、新しいアカウントを取得し再びキャラクターを製作している不正接続者と思われるユーザーがまだいるので、NCJの今後の動きに注目したい。
リネージュにも他国からRMTを目的として接続してくると思われる規約違反ユーザーがいる。それに便乗し、外国人のふりをして迷惑行為を行っていると思われる日本人もいる。
また、主に海外接続者がPWSteal.Lineage や TSPY_LINEAGE.GEN など、リネージュのID、パスワードを盗むスパイウェア(アカウントハックツール)へのリンクを様々な掲示板・ホームページ等に投稿し、これを知らずに踏む事でアカウントを盗用される被害も出ている。
アカウント盗用に関してはWindowsの更新やアンチウイルス等の自己防衛を行う事のみ完全に防げるものではない。定期的にパスワードを変更することや、何より不審なURLをクリックしない事が最大の自己防衛である。
最盛期に比べるとユーザー数が減少しているが、現在は/who機能(同時接続人数確認コマンド)が使用不可能となったため、実際数はわからない。
以前なら人気のあった狩場、大きい街などもあまり人がいなくなってきている。