リモネン
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リモネン(limonene)は単環式モノテルペンの一種。化学式はC10H16、分子量は136.23。
天然にはd体、l体、d/l体の三種類が存在するが、最も重要なものはd体で、レモンなど柑橘類全般の果皮に含まれ、その香りの構成を構成する物質の一つである。二重結合を二つ有し、酸化されやすい。
l体はハッカ油に含まれ、dl体はテレビン油等に含まれる。いずれも香料としての用途があり、合成も行われている。
スチレンモノマー(単量体)と構造が似ているためスチロール樹脂(ポリスチレン)を溶解する性質があり、特に柑橘類から採取されるd体は発泡スチロールの安全な溶剤として注目されている。また、ペット用洗剤やプラモデル用接着剤にもこれを使ったものが登場している。
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[編集] d体
融点-74.35℃、沸点175.5-176℃。化学名は(R)-1-メチル-4-(1-メチルエテニル)シクロヘキセン。CAS登録番号は5989-27-5。
[編集] l体
融点-74.35℃、沸点175.5-176℃。化学名は(S)-1-メチル-4-(1-メチルエテニル)シクロヘキセン。CAS登録番号は5989-54-8。
[編集] d/l体
別名ジペンテン。融点-95.9℃、沸点175.5-176℃。化学名は1-メチル-4-(1-メチルエテニル)シクロヘキセン。CAS登録番号は138-86-3。
[編集] 備考
TV番組『トリビアの泉』にて、「風船にミカンの汁をかけると割れる」の解説で、この現象がリモネンの溶解作用による事が紹介された。
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