ワラヂヤ出版
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ワラヂヤ出版株式会社はかつて日本にあった出版社。本社は大阪府大阪市で、創業の1872年以来100年以上に亘って地図を専門に出版してきた老舗で、主に近畿圏の書店に販売ルートを持っていた。2002年9月に大阪地裁より負債額7億5000万円にて破産申告を受ける。社名は歩測調査を行った際に用いられた草鞋に因む。
年間売上10億円弱と規模としては中小だったが、歩測に基づいた綿密な地図はそれなりの好評を得ていた。だが、中小の規模ゆえに地図の高度化、電子化に対応しきれなかったのが敗因である。1990年代前半から昭文社のスーパーマップル、アルプス社のスーパーアトラスの登場によって、道路地図にもCGが用いられるようになると、同社の主力商品であったピクニカシリーズなどは、古いイメージを拭えず売れ行きは極端に落ち込み、近畿圏でさえ書店からは定番を確保できなくなり、売上低下に拍車を掛けた。晩年は昭文社のスーパーマップルやアルプス社のスーパーアトラスに対抗すべくナビップというCGを用いた地図帳を出版したり、旅行ガイドに注力したりしたが、奪われた市場を取り返す力は衰えていた。ナビップは社運を賭けた地図帳で、CGを利用していたが、その出来は明らかにライバル出版社のものと比べて見劣りするものであった。
その後、PC用、カーナビ用の電子地図など地図業界のデジタル化は急速に進み、完全に時代のニーズに乗り遅れてしまったことで、デジタル地図への投資も莫大な費用を要するため再建は不可能になってしまい、破産した。
現在、ワラヂヤ出版の地図はマニアやコレクターのアイテムとしてネット上などで取引されることもある。