上流階級
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上流階級(じょうりゅうかいきゅう:Upper class)とは、貴族や大地主、大企業オーナーなどからなる社会階級である。大きな富と権力に近い地位を特徴とする。
近代以前は貴族を中心とした土地・農業利害が主体であったが、近代以降は、次第に金融利害へと重心を移していった。中流階級や労働者階級と違いその構成は血縁・姻戚関係による高い同質性を持つことが多く、子孫に特権的な地位を継承することが可能である。日本を含む幾つかの先進国では法的な身分としての上流階級は解体されたが、イギリスでは依然として上流階級としての貴族・ジェントルマン階級は健在であり、アメリカの様な貴族制度の存在しない国でも上流階級の存在が顕著な場合もある。
日本の場合、日本国憲法施行により華族制度・王公族制度が廃止され、また3直宮家を除く皇族が皇籍を離脱するなど、法的に裏打ちされた貴族制度等は消滅したが、社会的実態としての上流階級については、存在しているというべきである。なお、旧皇族関係者からなる菊栄親睦会や、旧華族関係者からなる霞会館といった団体も存在している。
[編集] 参考文献
- アンソニー・ギデンズ 『社会学』 ISBN 4-880593222
- ポール・ファッセル 『階級』 ISBN 4-334-76098-8
- ローザ・ルクセンブルク 『資本蓄積論』(1913年)
- ジョーン・ロビンソン『資本蓄積論』(1956年)