中立主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中立主義(ちゅうりつしゅぎ)とは、戦時・平時を問わず、国際関係の上で中立を維持することを基本とする外交上の立場。
[編集] 概説
中立主義を外交の基本方針としている国を永世中立国と呼称する。
ナポレオン戦争以後から、冷戦終結後までのスウェーデンの政策を主に中立主義とも言えよう。ただしスウェーデンは、非同盟主義であり、永世中立国ではない。
日本における中立主義は非武装中立や永世中立国という形の理想として広く掲げられている。これは、戦争の反省という観点から現れたもので、ダグラス・マッカーサーの発言「東洋のスイスたれ」などを基に、長らくスイスがその理想的な国家として、目指すべき中立主義の目標とされてきた。
しかし、時間の経過とともに、スイスの核武装をもいとわぬ重武装の思想の存在(スイス政府発行「民間防衛」等)が広く浸透してくると、平和主義の国の代名詞であったスイスはその役目を外され、新たな平和主義の理想としてコスタリカがその中心的役目を果たすようになった(なお、コスタリカモデルの推進者としては福島瑞穂などがあげられる)。
しかし、現実のコスタリカの国防の体制と非武装中立主義との差や矛盾(コスタリカ参照)が強く指摘されており、コスタリカの平和主義の象徴としての価値は次第に減少傾向にあるとみられている。
なお、実際に自国軍を持たない国としてアイスランドがあるが、アメリカとの関連から一切平和主義の題材には上っていない。