久蔵
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久蔵（きゅうぞう、寛政元年（1789年） - 安政元年（1854年））は江戸時代の水主、種痘苗をはじめて日本にもたらす。
[編集] 生涯
寛政元年、安芸国川尻浦に生まれる。文化7年(1811年)11月、乗っていた歓喜丸が江戸へ航行中、紀州の三崎沖で遭難し、翌年2月他の乗組員と共にカムチャツカに漂着する。凍傷のためオホーツクで足の切断手術を受ける。その後ロシア語を覚えイルクーツクへ赴く。イルクーツクの日本語学校で講師となる予定であったが、同校は閉鎖直前であったためオホーツクに戻り、足の手術をしてくれた医師の世話になる。
文化10年8月に函館に送還され、松前や江戸で取調べを受け、翌年5月に故郷へ戻り、余生を送る。帰国の際、種痘苗をガラスの器に入れて持ちかえっており、それがわが国にもたらされた最初の種痘苗である。その効果を藩主に進言しているが、信じてもらえず牛種痘法が広まることはなかった。また、漂流にいきさつや、ロシアの風俗、ロシア語などを口述した「魯西亜国漂流聞書」が残されている。また、ロシア滞在中に久蔵が日記を記していたことが分かっているが、残念なことにその日記の所在は不明である。1854年死去。享年66。
[編集] 関連項目
[編集] 関連文献
- 「花渡る海」吉村昭著(久蔵を主人公とした小説)
