九八式4屯牽引車
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九八式4屯牽引車「シケ」とは、1938年(昭和13年)に日本帝國陸軍で正式採用された自動牽引車である。
国情から火砲を牽引できる強力な輓馬(ばんば)を産出できなかった日本は、列強諸国の機械化に遅れることなく、比較的早い時期から火砲牽引車の開発に熱心であった。この九八式4屯牽引車は機動九〇式野砲の牽引用に開発され、戦闘時の酷使にも耐えうるよう、発動機の冷却効果を高め、履帯を九五式軽戦車と共通化するなど、信頼性と生産性を高める堅実な設計を採り入れていた。火砲の射撃準備時間の短縮化と、トラックに乗った機械化歩兵と同速度での移動を確保できる機動性などから実戦部隊では好評を得たが、日本陸軍の予算不足と工業水準の低さから、常に絶対的な数的不足をきたしていた。
[編集] 主要諸元
- タイプ:機動九〇式機動野砲専用牽引車
- 最大速度:38km/h
- 発動機:90馬力