二分脊椎症
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二分脊椎症(にぶんせきついしょう)とは、先天的に脊椎骨が形成不全となり、本来、脊椎の管の中にあるべき脊髄が脊椎の外に出て、癒着や損傷をしているために起こるさまざまな神経障害のことである。開放性の二分脊椎症と潜在性の二分脊椎症があり、ふつうは開放性の二分脊椎症のことを指す。脊髄髄膜瘤ともいう。下肢の麻痺や変形、膀胱・直腸障害に因る排泄障害が見られる。
[編集] 症状
- 主に仙椎、腰椎に発生するが、稀に胸椎、頚椎にも生じ、その発生部位から下の運動機能と知覚が麻痺し、内臓の機能にも大きく影響を及ぼす。
[編集] 合併症
- 二分脊椎の半数以上が水頭症を合併する。脳や脊髄は脳脊髄液が満たされた骨の中にあるが、この脳脊髄液の循環器機能が阻害されて脳圧が上がってしまうと脳神経に重大な障害を引き起こすため、脳圧を一定に保てる様に「シャント」という管で脳室と心臓または腹腔を短絡し、脳脊髄液を逃がす手術をする。
[編集] 治療法
- 出生後速やかに脳神経外科か小児外科によって手術をする。
- 膀胱・直腸障害により、排泄が困難となるため、排尿の場合はカテーテルと呼ばれる管を排尿時に使用する。排便の場合は、便秘になることが多いので、摘便(洗腸)や下剤を使用する。
- 脳神経外科、小児外科、泌尿器科、整形外科、リハビリテーション科を中心に眼科、皮膚科、内科等を含め、トータルなケアが必要とされている。また、様々な障害の程度があり、各々に合わせた適切な医療、教育、就職、結婚の問題までケースワークが求められている。
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