井上勲
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井上勲(いのうえ いさお、1940年 - )は、山口県生まれの歴史学者。東京大学国史学科卒業後、1973年に学習院大学文学部史学科助教授に就任。1989年に教授となり、現在に至る。専門は日本近代史。特に幕末の政治史・政治思想史を得意としている。「一会桑政権」という用語を最初に使い始めた研究者でもある。主要著書の『王政復古』は、幕末政治史研究に多くの論点を提示した。
[編集] 著書
- 『文明開化』(教育社歴史新書、1986年)
- 『王政復古』(中公新書、1991年)
[編集] 編著
- 『見る・読む・わかる日本の歴史4 近代・現代』(朝日新聞社、1993年)
- 『日本の時代史20 開国と幕末の動乱』(吉川弘文館、2004年)
- 『日本の時代史29 日本史の環境』(吉川弘文館、2004年)
- 勝部真長と共編『江戸とは何か4 江戸の幕末』(至文堂、1986年)
[編集] 主要論文・研究ノート・史料紹介・講演録・書評など
- 「田中彰著「明治維新政治史研究」」(『史学雑誌』75-1、1966年)
- 「長州藩尊攘運動の思想と構造」(『史学雑誌』75-3、1966年)
- 「将軍空位時代の政治史‐明治維新政治史研究‐」(『史学雑誌』77-11、1968年)
- 「ネーションの形成」(橋川文三・松本三之介編『近代日本政治思想史』Ⅰ、有斐閣、1971年)
- 「統一国家のヴィジョン」(前掲『近代日本政治思想史』Ⅰに所収)
- 「大政奉還運動の形成過程(一)」(『史学雑誌』88-11、1972年)
- 「大政奉還運動の形成過程(二)」(『史学雑誌』88-12、1972年)
- 「激動期の政治リーダー‐坂本龍馬と中岡慎太郎‐」(『エコノミスト』51-42、1973年)
- 「慶応三年十月の討幕派と討幕密勅」(『学習院史学』10号、1973年)
- 「「開国」と近代国家の成立」
(荒川幾男・生松敬三編『近代日本思想史』有斐閣双書、1973年)
- 「勝部真長、松本三之介、大口勇次郎編「勝海舟全集18-21海舟日記」」
(『史学雑誌』82-11、1973年)
- 「大政奉還運動の展開過程」(『学習院大学文学部研究年報』20、1974年)
- 「幕末・維新期における「公議輿論」観念の諸相‐近代日本における公権力形成の前史としての試論‐」
(『思想』609号、1975年)
- 「痩我慢の精神」
(笠原一男・鳥海靖編『ライバル日本史4 近代日本の二人の主役』1、評論社、1978年)
- 「坂本龍馬の可能性」(『歴史と人物』80号、1978年)
- 「大政奉還立案の真相は」(『別冊歴史読本‐坂本龍馬の謎‐』新人物往来社、1985年)
- 「王臣と陪臣と―徳川支配の正統性についての断想」
(大口勇次郎編『江戸とは何か3 徳川の政治と社会』至文堂、1985年)
- 「概説・江戸の幕末―崩壊と再生」(前掲『江戸とは何か4 江戸の幕末』に所収)
- 「大老 井伊直弼」(『学習院史学』35号、1997年)
- 「幕末政治社会の形成‐嘉永六年七月の諮問と答申をめぐって‐」
(『学習院大学史料館紀要』9号、1997年)
- 「座周四冊」(石井進編『歴史家の読書案内』吉川弘文館、1998年)
- 「世界史の構成員となる過程に生じた社会変動」
(『幕末学のみかた。』朝日新聞社、1998年)
- 「徳川斉昭、海防の幕政参与に就任‐年表原稿についての断想‐」
(『日本歴史』616号、1999年)
- 「『夢酔独言』―その人・その世界・その時代、そして読書は愉しみ」
(学習院大学文学部史学科編『歴史遊学』山川出版社、2001年)
- 「開国と幕末の動乱」(前掲『日本の時代史20 開国と幕末の動乱』に所収)
- 「徳川の遺臣‐その行動と倫理‐」(前掲『日本の時代史20 開国と幕末の動乱』に所収)
- 「日本史の環境」(前掲『日本の時代史29 日本史の環境』に所収)
- 「川路高子『上総日記』解題」(『学習院大学史料館紀要』13号、2005年)