佐世保弁
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佐世保弁(させぼべん)は、長崎県北部の佐世保市とその周辺で話される方言。
肥筑方言の一種で、佐世保鎮守府が開庁し軍港の町として発展した時代に長崎や佐賀などから沢山の人々が佐世保に移り住んで使われてきた言葉なので、長崎弁や佐賀弁などが混在する方言と言われている。
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[編集] 佐世保弁の例
[編集] あ
- 「あがん」=あのように。
- 「あっと」=「ある」の疑問、肯定の時などに使用。(例「~したことあっと?」「そこに置いてあっと」など)
- 「いっちょん」=全然、少しも。(例「いっちょん好かん」「いっちょん知らん」など)
- 「いろんころん」=あれこれ。(例「いろんころんするな!」など)
- 「うち」=私。
- 「うめく」=苦しみながらもがく様子。
- 「うんにゃ」=否定の意味。
- 「おーちゃっか」=横着な。
- 「おえかぶる」=髪が不精に伸びた様子。
- 「おかしか」=おかしい。
- 「おっちゃける」=落ちる。
- 「おっとろしか」=恐ろしい。
- 「おらぶ」=叫ぶ。(例「そがんおらんでやかましか」など)
- 「おらん」=(人などが)いない。
[編集] か
- 「かずむ」=嗅ぐ。
- 「かっしゃぐ」=ひっかく、かく。
- 「きつか」=きつい、つらい。
- 「きびる」=くくる、縛る。
- 「くる」=行く。(例「今から来るけん」は、「今から行きます」という意味)
- 「くらす」=殴る。
- 「こちょぐる」=コチョコチョとくすぐる。
- 「こがん」=このように。
- 「ごたん」=~のようだ。(例「もうあの人はこらっさんごたんね」など)
- 「ごっとい」=いつも、毎度。
[編集] さ
- 「さびなか」=味が薄い、物足りない。
- 「さるく」=ぶらぶらと歩く。
- 「しょんなか」=しょうがない。
- 「すいとる」=好き。
- 「ずんだれ」=(格好などが)だらしない。
- 「せからしか」=うるさい。
- 「そい」=それ。
- 「そがん」=そのように。
- 「ぞいぎんた」=それでは。さようなら。
- 「ぞうたんなごつ」=冗談なこと。
[編集] た
- 「たい」=~だよ。(例「そうたい」など)
- 「たぎる」=沸騰する。
- 「だい」=誰。
- 「だけん」=だから。
- 「だんじゃなか」=~してる場合じゃない、そうゆう状況じゃない。
- 「ちゃん」=接尾語の一種。(例「今勉強しよっちゃんね」など)
- 「つ」=かさぶた。
- 「とっとっと」=とってある、保存している。
- 「ととしか」=あわてん坊。
- 「どい」=どれ。
- 「どがん」=どう。(例「どがんしたと?」など)
- 「どべ」=ビリ。
[編集] な
- 「なおす」=元のところに戻す、収納する。
[編集] は
- 「ば」=助詞。(例「そいば持ってきて」「なんば言いよっと」など)
- 「ほたる」=放る、投げる。
[編集] ま
- 「みたんなか」=格好が悪い、見苦しい。
[編集] や
- 「やおうなか」=簡単じゃない、むずかしい。
- 「やぐらしか」=うるさい、めんどくさい。
- 「やれ」=「やる」の命令形。
- 「よか」= 良い。
- 「よそわし」=汚い、汚らわしい。
[編集] わ
- 「わい」、「わが」=お前。