体外受精
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
体外受精(たいがいじゅせい)
- 生物学における受精様式のひとつ。卵と精子が体外に放出されて受精する。体外受精 (生物)を参照。
- 生殖医療における不妊治療のひとつ。本項で解説する。
生殖医療における体外受精(たいがいじゅせい、In Vitro Fertilization, IVF)[1]とは不妊治療の一つで、通常は体内で行われる受精を体の外で行う方法。受精し、分裂した卵(胚)を子宮内に移植することを含めて体外受精・胚移植(IVF-ET)という。
費用は約30万~60万円と高額で通常、卵管閉塞などの器質的原因や、タイミング法・人工授精をしたが、妊娠に至らなかった場合に用いられる。通常は精子を自然受精させるが、乏精子症など精子側の受精障害がある場合には顕微授精(多くの場合卵細胞質内精子注入法: ICSI)を行う。自然での人間の周期あたり妊娠率は平均15%前後だが、IVF-ETの場合25%程となる。
[編集] 歴史
1978年にイギリスで最初に成功し、女の子が生まれた。日本では1983年に東北大学の鈴木雅州らが成功して以来、約6万人が生まれたと言われている。
[編集] 手順
まず、採卵と採精をして、採卵から1~3時間後にシャーレの中で調整済みの精子を振りかけて受精を行う。受精した卵は分割をし、翌日には受精卵として確認できる。体外受精が成功するかどうかの1つの鍵は、どれだけ質の良い受精卵が得られるかということで、色がきれいで、透明感があり、形が良く、はりがあって、傷がない受精卵が着床率が良い。
[編集] 脚注
- ^ 一般では「体外授精」と表記されることもあるが、日本産婦人科学会の用語集では「体外受精」の表記を用いる。
カテゴリ: 医学関連のスタブ項目 | 医療 | 生命倫理学 | 産科学