修飾塩基
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RNAのヌクレオチドは通常、アデニン、ウラシル、グアニン、シトシンからなるが、tRNAはそのヌクレオチドに化学修飾を受けたヌクレオチドを含む。そうした、化学修飾を受けたヌクレオチドを修飾塩基(しゅうしょくえんき、modified base)という。微量塩基(びりょうえんき、minor base、rare base)とも呼ばれる。
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[編集] 化学修飾の種類
- メチル化…1個あるいはそれ以上のメチル基がヌクレオシドや糖の部分に結合する。例として7-メチルグアノシン、リボチミジンなど。
- 塩基の再構成…プリン、ピリミジン環中の原子交換。例としてシュードウラシルなど。
- 二重結合の飽和…塩基の二重結合が単結合になる。例としてジヒドロウリジンなど。
- 脱アミノ化…アミノ基が除去される。例としてイノシンなど。
- 硫黄への置換…グアノシン、ウリジンの酸素原子が硫黄に置換される。例として4-チオウリジンなど。
- 更に複雑な基の追加…例としてキューオシンなど。
また、重金属による修飾としてメタン菌であるMethanococcus vannieliiに特有なセレノウリジンも見つかっている。
[編集] 化学修飾のメカニズム
あらゆる生物にわたって、50種類以上の化学修飾塩基が見つかっており、それらはすべてがtRNA修飾酵素によって触媒される。
[編集] 化学修飾の理由
tRNAのアンチコドンがイノシンである場合、mRNAのシトシン、アデニン、ウラシルと塩基対を構成する。ただし、アンチコドン以外の化学修飾塩基については、その役割は不明でtRNAのコンフォメーションの安定化に役立っているのではないかといわれている。また、誤まったアミノ酸がtRNAに結合することを防いでいるとも言われているが、定かではない。