偶像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
偶像(ぐうぞう)とは、人間の五感では感じとれない存在である神を、人間にも解りやすく表現するために、彫刻や絵画などの物質的手法で作られた像。そのなかでも、その像自体が神的存在そのものだと誤解され、崇拝の対象となってしまったもの指す。
したがって、言語のような非物質的な手法で記述された神性およびイメージは通常「偶像」とは呼ばれない。
偶像を崇拝する行為を偶像崇拝という。
現在のキリスト教の諸派の大部分では比較的寛容に受け止められており多くの教会堂の壁画などに神が描かれている。歴史的にはキリスト教のイコンも議論の対象となったことがある。
ヘブライ語ではペセル פֶּסֶל、エリール אֱלִיל という。後者は神の名であるエールからの派生である。 (ヘブライ語でのエールはエローアハ、エローヒーム(エロヒム)の語根でもあり、アッラーの名の基礎でもあるが、ウガリット神話におけるエールとは多神の一つである)
「偶像」という言葉は通常、侮蔑や非難するために使用され、神や仏の像を崇拝している本人自らが「これは偶像である」ということはない。
[編集] 関連項目
[編集] 俗用
上記の意味から転じて、大衆的な人気を博したり、尊敬されている人物のことを指して偶像と呼ぶこともある(用例:堕ちた偶像)。