先代旧事本紀大成経
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
先代旧事本紀大成経(せんだいくじほんきたいせいきょう、先代舊事本紀大成經)は、先代旧事本紀をもとに江戸時代に作られた推測される偽書。この文献をめぐって大成経事件が起こった。
延宝七年(1679年)、江戸の書店で『先代旧事本紀大成経』(七十二巻本)と呼ばれる書物が発見された。この大成経の内容が公開されると大きな話題となり、学者や神職、僧侶の間で広く読まれるようになった。しかし、大成経の内容は伊勢神宮別宮の伊雑宮の神職が主張していた、伊雑宮が日神を祀る社であり内宮・外宮は星神・月神を祀るものであるという説を裏づけるようなものであることがわかり、内宮・外宮の神職がこの書の内容について幕府に詮議を求めた。
天和元年(1681年)、幕府は大成経を偽書と断定し、書店にこの書物を持ち込んだ神道家・永野采女と僧 ・潮音道海、偽作を依頼したとされた伊雑宮の神職らを処罰した。後に大成経を始めとする由緒の明らかでない書物の出版・販売が禁止された。しかし、幕府の目を掻い潜って大成経は出回り続け、垂加神道などに影響を与えている。
[編集] 関連書籍
- 『先代舊事本紀大成経』全9巻 須藤太幹解読 先代舊事本紀研究会 平成13年
[編集] 関連
カテゴリ: 古史古伝 | 日本神話 | 日本の歴史関連のスタブ項目