先込め
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先込め(さきごめ)は、銃や砲の装填方式のひとつで、火薬と弾丸を銃口から込める方法または方式を云う。火縄銃など、古い型の銃で用いられた装填方式である。「先込め式」。これに対し、銃身後部から込める方式を「元込め式」と言う。
[編集] 火縄銃
火縄銃における「先込め」と云われる装填→発砲のプロセスは以下の通り。
- 銃口から火薬を流し入れる
- 銃口から弾丸を入れる
- 銃口に搠杖を入れ、火薬と弾丸を薬室に突き入れる
- 火挟みを起こす(コックする。但し欧州や中国で一般的な「常上がり=緩発式ロック」ではこの過程は不要。日本の瞬発式からくりは狙撃に適しているため「一発必中」向きと言え、緩発式は簡便性から集団弾幕射撃や狩猟用に適している)
- 火蓋を開き、火皿に口薬を置き火蓋を閉じる
- 火縄先をつまみ、息で灰を吹き飛ばして火挟みに付ける(挟む)
- 目標を確認して火蓋を開く(火蓋を切る)
- 据銃体勢をとり先目当(照星)・前目当(照門)で照準する
- 狙いが定まったら引金を引く
その後、次弾発砲までに「銃身内の火薬残滓を洗い矢で拭う」(数発撃つと銃腔にカーボンがこびり付き 弾が入らなくなるため、搠杖の先に水に濡らした布を付けて拭う)「火穴にせせり(ヴェントピック)を通す」「銃身を冷やす」(但し、1分間に1発程度のペースで発砲するのであればこの必要は全くない)など、一般に次弾装填の際に行うべき事は多いと言われる。
しかし、これらは後世に科学技術の進歩を強調するための「例え話」として語られたものであり、実際にはこの作業を1発ごとに行う必要はなく、数発に一度行えばよい。関流砲術では、7発位撃つと弾が入り難くなると伝えている。また、「劣り玉」と呼ばれる適合弾より若干径が小さい弾を使用すれば、目標への集弾性は低下するものの、10発以上の連続発射が可能である。(江戸時代の射的で一般的な、射距離十五間では劣り玉でも命中率は殆ど変わらないが三十間を超えると低下が見られる)また銃腔内や火皿の清掃は頻繁に行う必要はなく、弾が込め難い等の異常を感じたら行えば済むことであり、その方法も、黒色火薬が水に溶けやすい特性から、洗矢の先に水で湿らせた布切れを付けたものを銃口から差込み1~2往復させれば完了する。熟練した者ならば第1弾発砲から18~20秒後に次弾発射できる。(昭和末期に実験済み)とはいえ、現代の銃に比して先込め銃は単体では連射に向かないものであることは上記のプロセスなどからも容易に窺える。
この「次弾発射までに時間がかかる」という先込め式最大の問題点を改善するため、火縄銃が用いられた戦国時代の日本では、「早合」(装填を簡便にするための弾薬包)「複数人でチームを組む」「銃身を複数設置する」など、様々な(時には奇天烈な)発想がなされている。
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