全然
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全然(ぜんぜん)は日本語の単語のひとつ。本来『全くを以って然るべき』の意で公用される副詞で肯定にも否定にも用いられるが、近年肯定に用いるのは誤りであると称してたびたび話題になる。
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[編集] 正式とされている用法
より厳密には、「全然~ない」の形で係り受けして全否定を表わすのが正しいとされる。ただし「全然よくない」を「全然悪い」「全然駄目だ」などと言い換えるような、少なくとも全体が否定的な表現となっているものまでは、多くの場合許容されている。
[編集] 例
- 「全然食べるものがない」というと、食べるものが全く無いことをあらわす。
- 「全然支障がない」は、後述する「全然大丈夫」と同じ意味であり、文全体としては肯定である例。しかし「全然~ない」の形に沿っているため全然間違っていない文である。
- 同様の使い方をする語として、「めったに」「ほとんど」という言葉がある。
[編集] 誤っているとされている用法
後に否定的な表現を伴わないもの。
[編集] 例
- 「全然大丈夫」というと、全くもって問題が無い、絶好調であることをあらわす。「全然ok」という使い方をされることが多く、1990年代前半に学生を中心に自然に広まっていったといわれている。現在は携帯電話のメールで「全然」とうつと、候補の中に「全然OK」「全然ok」が含まれて出てくる機種も多い。
[編集] 意味の変遷
文部省教育が定着する以前は現在誤っているとされる用法も珍しくはなかったが世俗の中で現在の用法が確定していった。近年、否定を伴わない用法が再度増えており、これは誤用として扱われるケースが多い。