全角
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
全角(ぜんかく)とは文字の縦と横の比が1:1であるように表示されるフォントの文字の大きさのことである。
[編集] 歴史
かつては、日本で印刷などで使用される文字は等幅がほとんどであり、全角のみであることが多かった。これは漢字が全角(つまり縦と横が同じサイズ)の字形を基準としており、字詰めなど文字を詰める処理は行っていなかったことに由来している。(ただし、日本語のカナなどを含んだ最初の活版印刷機は合字やカーニングなどを含んでいた。)したがって、日本に入ってきたラテン文字も当初は全角で書かれることが多かった。
コンピュータでは当初1バイトで示される文字の幅が半角幅で、2バイトで示される文字を半角幅の2倍で示していたことから、あったことからJIS X 0201の文字を半角文字というのに対して、JIS X 0201の文字を全角文字ということが多かった。
現在ではバイト数が2バイトの文字を全角という場合と、ASCIIおよびJIS X 0201以外の文字を全角という場合と、表示上の字形幅が1:1の場合に全角という場合がある。
英語では、「M」の文字幅が全角幅と同じであることからEMという。
[編集] JIS規格での定義
JISの規格ではJIS B 0191 日本語ワードプロセッサ用語で
外枠の高さと幅の大きさの比がほぼ1:1である,当該製品の標準的な文字の大きさ。
と規定されている。
なお、この規格は、JISの情報処理分野である「X」でも電気・電子分野である「C」でもなく、一般機械分野の「B」の規格番号を与えられているので注意が必要である。