八番相撲
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八番相撲(はちばんずもう)は、大相撲の幕下以下の力士が本場所において例外的に取る1場所8番目の相撲のこと。
通常、幕下以下の力士は1場所に7番の相撲を取る。休場者が出る等して出場力士が奇数になった場合、序ノ口の下位力士を4日で3番取らせるなどして調整するが、最終的にどうしても全力士均等に7番の割を組めないことがある。その場合、特別に7番取り終えた力士1名を選び、割を組む。この場合、その力士が8番目の相撲に勝てばこれは勝ち星として評価され、負けても黒星として扱わないことになっている。これを「勝ち得、負け得」という。
2007年現在、既に5敗以上している幕下上位の力士か、序ノ口の力士(勝ち越している場合もある)が選ばれている。幕下は、勝ち越している力士の場合、十両昇進に有利に働く為と見られる。無作為に選ばれていた当時の話として、1972年三月場所に東幕下筆頭で3勝4敗と負け越していた青葉山が、八番相撲で4勝4敗と五分の星に戻し、番付編成上は4勝3敗と同じ扱いになった。その前の場所で、東筆頭の渥美洋が逆に4勝3敗から八番相撲をとり、負けて4勝4敗になっても十両に返り咲いたため、青葉山の昇進が注目された。しかし、翌場所も青葉山は同じ地位に留まった[1]。それ以降、幕下上位で3敗、4敗している力士の八番相撲は1度も組まれていない。尚、青葉山は五月場所を3勝4敗と負け越し、結局十両に昇進したのは2年後のことだった。
- ^ 2007年現在は、東西の筆頭で勝ち越した(4勝以上)力士は翌場所の十両昇進が保証される為、筆頭での勝ち越し力士の番付据え置きは先ず起こらないこととされている。