分 (数)
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分(ぶ)は、量や割合を示す数値の後につける 1/10(10分の1)を表わす単位である。尺貫法では分量単位として用いられる。
1分は 10厘、100毛、1000糸にあたり、SI接頭辞ではd(デシ)に相当する。五分五分や九分九厘などの「分」は 1/10 の意味である。なお割合では分は1/10のときと1/100の意味のときのどちらもあり得るので注意が必要である。
分は、メートル法でデシ(d)を接頭する単位の漢字の旁(つくり)となる。
具体的には以下の単位を表わす
- 気温あるいは体温の単位で1/10度。日本ではセルシウス度(摂氏)に用いるのが一般的。
- 尺貫法における長さの単位。1分は1/10寸に相当し、約3.03ミリメートルに相当する。また、鯨尺1分は約3.8ミリメートルに相当する[1]。
- 尺貫法における重さの単位。1分は1/10匁に相当し、メートル法の0.375グラムに相当する。一般には「ふん」と読まれる。
- 割合の単位。一般には1/10の割合を表す割の1/10であり、都合1/100に相当する。1パーセント。小数で表すところの0.01。
時間の単位の分や角度の単位の分、江戸時代の日本における金貨の通貨単位の分は、上述の10分の1の分とは異なる由来のものである。
[編集] 註記
- ^ ワイヤやボルトなどの鋼材の直径を示す場合、ヤード・ポンド法における8分の1インチ(1/8")が基本単位として用いられることがある。1/8"は3.175ミリメートルであり、長さを示す分に近いことから、便宜的にこれを分と呼称する場合がある。たとえば、3/8"は3分、1/2"は4分などと呼ばれる。
[編集] 関連項目
日本の数の単位 |
大数:一、十、百、千、万、億、兆、京、垓、秭、穣、溝、澗、正、載、極、恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議、無量大数 |
小数:分、厘、毛、糸、忽、微、繊、沙、塵、埃、渺、漠、模糊、逡巡、須臾、瞬息、弾指、刹那、六徳、虚空、清浄、阿頼耶、阿摩羅、涅槃寂静 |