加速定理
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計算複雑性理論における加速定理(かそくていり)は、ある問題を解く算法に対し、同じ問題をより早く解く算法(また一般に、より少ない資源しか使用しない算法)の存在を示す定理である。
チューリング機械に関する線型加速定理は、ある時間[ないし空間]計算量f(n)のチューリング機械を与えると、 同じ問題を解く時間[ないし空間]計算量cf(n)のチューリング機械が存在することを示した定理である(ただしnは入力の大きさ、cは正の定数)。
ブルームの加速定理は、時間計算量O(f(n))の算法があれば、時間計算量O(logf(n))の算法も存在するような問題の存在を示した定理である。
量子コンピュータに関する2次関数的加速定理は、 決定性コンピュータが時間計算量O(f(n))で検索が実行できるなら、 量子コンピュータなら同一の検索が時間計算量O(√f(n))で実行できることを示した定理である。