北九州市ルネッサンス構想
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北九州市ルネッサンス構想(きたきゅうしゅうしるねっさんすこうそう Kitakyushu Renaissance)は日本の北九州市が掲げた都市再生政策の1つである。
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[編集] 構想までの過程
1963年に小倉、門司、戸畑、八幡、若松の5市が合併して北九州市が誕生した。しかし石炭から石油へのエネルギーの転換、八幡製鐵所などを中心とした重工業の衰退等、産業構造の転換に追随できなかった。また工場による黒煙、付近を流れる紫川の汚染等環境問題に課題があった。
1987年に3代目市長になった末吉興一が中心となって1988年12月に策定。2006年に計画終了(部門別計画の目標年次)の予定。水辺と緑とふれあいの“国際テクノロジー都市”へを基調テーマにした都市再生計画。
[編集] 目指す5つの都市像
1.緑とウォーターフロントを生かした快適居住都市
2.健康で生きがいを感じる福祉・文化都市
3.あすの産業をはぐくむ国際技術情報都市
4.海にひろがるにぎわいの交流都市
5.未来をひらくアジアの学術・研究都市
これらを基に鉄道、空港、海運等のインフラ整備、環境重視政策、商業復興のための施設建設、大学等の教育・研究施設の誘致、高齢者や障害者等の福祉政策などの政策を打ち出した。
[編集] 各計画時期後毎の実施計画
第一次実施計画(平成元年度~平成5年度 1989年~1994年)
ルネッサンス構想の最初の具体的実施計画。21世紀を目指した街づくりの基礎計画。
- 経済の活性化(具体的には北九州テクノセンターの建設、企業誘導用地の整備等)
- 交通体系の整備【新北九州空港の事業決定、北九州空港の定期便再開(1993年に羽田空港⇔北九州空港便就航)】、都心・副都心機能の充実、地域の核づくり【小倉駅の再開発(1993年に小倉そごう誘致)】、紫川マイタウン・マイリバー整備、東田地区の整備【スペースワールドの開業)、門司港レトロ等】
- イベント、コンベンションの誘致、開発(北九州国際会議所のオープン、わっしょい百万夏祭りの開催等)
これらを中心に高齢者、福祉、国際化、学術等の政策を作り出した。
第二次実施計画(平成6年度~平成10年度 1994年~1999年)
活気に満ち、市民が実生活で豊かさを実感できる街づくり。
- 高齢者社会への対応(市全体を市・区・地域毎に分けて地域住民、団体、医師会、ボランティアと連携しながら高齢者・障害者・子供支援「北九州方式」と呼ばれる)
- 生活環境の整備
- 環境への配慮(ゴミ指定袋制、ペットボトル分別政策、環境共生住宅の整備)
- 地域経済活性化(アジア太平洋インポートマート(AIM)の建設、福祉用具研究開発センターの設置)
- 将来の発展のための基礎作り(新北九州空港の建設、北九州学術研究都市、響灘環黄海圏ハブポート構想、東九州自動車道といった北九州四大プロジェクトの契機。北九州モノレールの小倉駅乗り入れ等を打ち出した)
第三次実施計画(平成11年度~平成15年度 1999年~2004年)
北九州市を「再生」から「浮揚」へと導き、「21世紀都市北九州―北九州新時代」を築くための指針つくり。
- 環境未来都市の創造に向けて(資源巡回型都市作り、市民とともに進める未来都市作り)
- 少子高齢化社会モデル都市の創造に向けて(子育て支援体制や障害者政策の推進。さらに地域福祉のネットワーク作り)
- 教育・文化充実都市の創造に向けて(学校教育、生涯教育の骨子や北九州芸術劇場の建設)
- 産業・頭脳未来都市の創造に向けて(大学研究機関の誘致、IT関連企業の支援、中小企業への経営環境への整備等)
- 交流・物流拠点都市の創造に向けて(新北九州空港の整備、国際ビジネスパートナー都市連携の推進等)
- 地域・生活充実都市の創造に向けて
第三次実施計画・改訂(平成16年度・平成17年度 2004年~2006年予定)
第三次実施計画を踏まえて北九州市ルネッサンス構想の総仕上げに向けた政策作り。
[編集] 紫川マイタウン・マイリバー整備事業
北九州市ルネッサンス構想の事業の1つ。紫川は北九州市を流れる二級河川。かつては工業排水や家庭排水等で汚染が進み悪臭が漂う河川だった。これを市民や行政が一体となった浄化運動、また下水道の発展に伴い、現在は鮎や白魚、さらに上流では蛍の生息が確認できるまで回復した。
1987年に建設省がマイタウン・マイリバー整備事業を創設。1988年に紫川がマイタウン・マイリバー整備事業の河川に認定。洪水、交通渋滞等で問題があった紫川下流の橋を海、火、木、風などをテーマにした橋を建立。北九州市役所近隣を整備し親水施設の造成。川沿いにある井筒屋小倉店の別館・事務館移転→紫江’s(しこうず)と呼ばれるレストラン街と水環境館を建築。さらに地元出身の文豪松本清張記念館、小倉城庭園、リバーウォーク北九州の建設・造園を行なった。
[編集] 問題点と課題
- 2005年にスペースワールドの経営権が新日鐵から加森観光へ譲渡。他のテーマパークとの違いが曖昧で集客力に疑問。
- リバーウォーク、門司港レトロも他地域との違いが曖昧。
- プロジェクト終了後の維持等に問題。
- 「無法松の一生」など「小倉=ヤクザの街」のイメージの払拭ができるのか。
- 響灘環黄海圏ハブポート構想を掲げているが、国の行政のスリム化の一環として港湾政策を東京・横浜、大阪・神戸、名古屋・四日市に集中する政策。
[編集] 外部リンク