合成地名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
合成地名(ごうせいちめい)とは、複数の地域を総称する新たな地名が必要になった際に既存の地名を組み合わせて作られた地名のことである。同名の地域と区別するために広域地名と狭域地名を繋ぎ合わせて呼称するものはこれに含まない。
合成地名にはそれぞれの地名の一部を取って繋ぎ合わせたもの(例:大内+寒川=大川)と、地名をそのまま繋ぎ合わせる連称によるもの(連称地名)がある。後者は短い地名でよく使われる手法である。また、後者は駅名を名づける際に時折みられる(例:溜池+山王=溜池山王)。2つの同規模の自治体が合併する際に合成地名が使われる事が多い。また、正式な地名でない通称に合成地名が使われる事がある。
合成地名はその字面だけを見て、誤って解釈してしまうことが多い。たとえば東京都大田区の大田は大きな田という意味ではなく、「大森区」と「蒲田区」が合併してできた名称である。地名研究の際は、その地名がいつから使われるようになったかなど、その土地の歴史を充分吟味する必要がある。
但し、旧来の地名とは縁もゆかりも無い地名(関連項目にある方角地名・瑞祥地名)に比べれば、歴史的経緯を多少なりとも反映している合成地名は、新地名としての妥協の産物として「まだまし」との意見が根強い。