吉田敦彦
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吉田 敦彦(よしだ あつひこ)は、神話学者。1934年、東京に生まれる。フランス国立科学研究所時代に比較神話学の碩学ジョルジュ・デュメジルの指導を受ける。
大林太良がギリシア神話と日本神話との間に見られる類似を日本の神話の系統論として論じると、一貫してそれを支持し、欧米の学術誌などに日本神話と印欧語族神話を比較する論文を発表する。著作では『日本神話と印欧神話』(1974)で日本神話に見られる三機能体系について論じ、『ヤマトタケルと大国主』(1979)において、『記紀』の登場人物と印欧神話の登場人物との比較を行っている。ギリシアの神話や文化の研究でも知られ、『ギリシァ文化の深層』で 1984年度サントリー学芸賞を受賞する一方で、縄文人の宗教や文化に関する著作も目立つ。著書多数。
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[編集] 略歴
- 1957年 成城大学卒業。
- 1959年 東京大学大学院西洋古典学専攻課程修了。
- フランス国立科学研究所研究員。
- ジュネーブ大学文学部講師。
- カルフォルニア大学ロサンゼルス分校古典学部門の招待講師。
- 成蹊大学教授。
- 学習院大学教授。
[編集] 著作
- 『ギリシァ神話と日本神話』 みすず書房 (1974)。
- 『日本神話と印欧神話』 弘文堂 (1974)。
- 『比較神話学の現在』 朝日出版社 (1975)。
- 『日本神話の源流』 講談社現代新書 (1976)。
- 『小さ子とハイヌウェレ』 みすず書房 (1976)。
- 『神話の構造』 朝日出版社 (1978)。
- 『ヤマトタケルと大国主』 みすず書房 (1979.1)。
- 『アマテラスの原像 スキュタイ神話と日本神話』 朝日出版社 (1980.8、1987.6)。
- 『神話と近親相姦』 青土社 (1982.11)。
- 『神話学の知と現在』 河出書房新社 (1984.1)。
- 『ギリシァ文化の深層』 国文社 (1984.5)。
- 『神話の考古学』 福武書店 (1984.9、1986.5)
- 『日本神話の特色』 青土社 (1985.4、1989.3)。
- 『縄文土偶の神話学 殺害と再生のアーケオロジー』 名著出版会 (1986.4)。
- 『縄文の神話』 青土社 (1987.12、1997.7)。
- 『妖怪と美女のアーケオロジー』 名著出版会 (1989.1)。
- 『日本の神話』 青土社 (1990.1)。
- 『豊穣と不死の神話』 青土社 (1990.12)。
- 『昔話の考古学』 中公新書 (1992.4)。
- 『日本神話のなりたち』 青土社 (1992.11、1998.6)
- 『縄文宗教の謎』 大和書房 (1993.7)。
- 『オイディプスの謎』 青土社 (1995.7)。
[編集] 共著
[編集] 邦訳書
- ジャン=ピエール・ヴェルナン 『ギリシア思想の起源』 みすず書房 (1970)。
- ジャン・シャーウッドスミス 『海からの花嫁』 法政大学出版局 (共訳 1998.3)