唐人おどり
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唐人おどり(とうじんおどり)とは朝鮮通信使を模した祭りの出し物を起源とする伝統芸能のひとつ。朝鮮通信使を模した踊りが「唐人」とされているのは、江戸時代には外国人の総称であったためである。
かつてはさまざまな場所で行われていた唐人踊りだが、現在では三重県鈴鹿市東玉垣町の唐人踊り、岡山県牛窓町の唐子踊り、そして三重県津市の唐人行列が残っているだけである。
[編集] 起源
朝鮮通信使は王の使者の他に、随行員には美しく着飾った小童や楽隊、文化人、医師、通訳などが加わっていた為、江戸時代を通じて庶民にとっては数十年に一度やってくる見世物、エンターテインメントとしての側面が大きかった。祭りの出し物のひとつとして、楽しげな音楽と踊りを見せていた朝鮮通信使を真似た踊りがその起源である。
黄色を基調とした衣装に身を包み、仮面や帽子を被り、非常にポップな音楽に乗って踊る。この衣装の華美さによってときの幕府に目をつけられ、幾度となく禁止令が出ている。
[編集] 仮面
岡山県の唐子踊り以外のふたつの唐人踊りは面白げな仮面をつけて行う。これは外国人である朝鮮通信使を模するためと考えられている。