四つの署名
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『四つの署名』(よっつのしょめい、The Sign of Four、1890年発表)は、アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズ作品の1つ。
シャーロック・ホームズシリーズ作品の二作目で、第一作の『緋色の研究』に目をつけたアメリカの出版社の依頼によって作られ、「リピンコット・マガジン」に発表。当初は『The Sign of the Four』であり、作者の意向により後に冠詞の『the』が取られた。長編二章仕立てで、1から9の前編と10から12までの後編に分かれ、緋色の研究と同じく前編で事件を、後編で犯行に至った動機を描いている。
この小説の最後でジョン・H・ワトスンはメアリー・モースタンと結婚をし、ホームズとの共同生活を一度終わらせたことになっている。
[編集] 日本語の題名『四つの署名』
日本語の題名は、新潮文庫が最初に出した訳本での『四つの署名』が定着しているが、本来 "Sign" は必ずしも署名(Signature, Autograph)を指すものではないだけでなく、原語では多様な解釈を許すことがミステリとしての妙味につながっているのにそれを減殺しているのではないかと意見もある。そのため、河出書房の訳本のように『四つのサイン』という題名をとっているものもある。 また、原題「Sign of Four」とは事件にかかわった四人の符号として決めたサインすなわち「四人の印」であり、 邦題「四つの署名(サイン)」では原題が「Four Signs」となるはずであることから、『四人の署名』が 原意にもっとも即したタイトルであるとする意見もある。
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
退屈するシャーロック・ホームズの下に、若い婦人、モースタン嬢がやってきた。「父親が失踪し、しばらくしてから一年に一回真珠を贈られている」と言う。その日は贈り物がくる代わりに郵便が届き、面会を求めてきていた。だがこの男は密室の中で殺されており、そこには四つの「+」のしるしが残されていた。