国債整理基金特別会計
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国債整理基金特別会計(こくさいせいりききんとくべつかいけい)とは、国債整理基金の費用と使途を明確にするため、その歳入歳出は一般会計とは区分するための特別会計のことである。
また、国債整理基金とは、国債の償還、借換を円滑に行うべく、設置された基金のことである。
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[編集] 法的根拠
- 国債整理基金特別会計法(明治39年法律第6号)
[編集] 歳入と歳出
以下の数字は2006年(平成18年)度当初予算の額である。
[編集] 歳入
合計 249兆7398億6039万9000円。
[編集] 特定財源
[編集] 事業収入
- 一般会計
- 前年度国債残高の1.6%を一般会計から繰り入れ(国債整理基金特別会計法第2条第2項)
- 割引国債の利子分を一般会計から繰り入れ(同法第2条ノ2第1項)
- など
- 計 18兆7615億6025万5000円 (前年比+3193億8578万9000円)(一般会計の国債費と同額)
- 他の特別会計からの受入金
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- 計 97兆0318億0026万3000円 (前年比+28兆7522億9921万4000円)
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- 国債借換による収入金
- 国債償還には60年ルール(発行後60年間かけて償還する)というものがあり、発行後60年を経ない発行済み国債が満期を迎えた場合は、新たに国債を発行して借り換えを行う。
- 計 103兆2621億0413万7000円 (前年比-6兆5529億7523万9000円)
- 国債償還には60年ルール(発行後60年間かけて償還する)というものがあり、発行後60年を経ない発行済み国債が満期を迎えた場合は、新たに国債を発行して借り換えを行う。
- 特別会計の所属する株式および出資の持分の処分による収益金
[編集] 運用収入
- 国債整理基金の運用益
- 特別会計の所属する株式および出資の持分に関わる配当金
- 前年度の剰余金受入
[編集] 歳出
合計 224兆7398億6039万9000円
- 国債の償還発行に関する費用
- 国債整理基金の運用損失
- 特別会計の所属する株式および出資の持分の管理、処分に関する費用
- 一般会計への繰り入れ
[編集] 特別会計に対する批判について
近年、数字上は一般会計の何倍もある特別会計に対し、「官僚の闇財布」などという批判がなされている。 しかし、特別会計も一般会計も国家予算である以上、国会による予算・決算の審議、会計検査院による検査の対象となることに変わりはない。 特別会計の5割(予算額ベース)を占める国債整理基金特別会計は、各種の事業特別会計と違い、国全体の債務状況を明朗にすることを目的としたものであり、裏返せばこの特別会計がここまで膨らんだということは、国家財政が非常事態になっているともいうことができる。
また、財務省の記載によれば、国の債務状況を国家予算として表示していることは日本以外の先進国ではほとんど行われていないこととしている。
[編集] 特定財源について
特定財源ついては、たばこ特別税による収入があげられるが、これは、一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律(平成10年 法律137号、以下、一般会計承継債務財源確保特別措置法)の第26条により、国債整理基金特別会計法の第2条の第1項による、一般会計から国債整理基金への毎年度繰り入れることとみなす特例に基づくものである。
ただしたばこ特別税は平成10年度に国鉄清算事業団の長期借入金に関わる債務、国有林野事業特別会計国有林野事業勘定の負担に属する借入金に関わる債務を一般会計が承継したことに伴い、一般会計の負担が増大することをかんがみ設置されたものであるため、(一般会計承継債務財源確保特別措置法第1条)創設趣旨からすると、国鉄清算事業団および国有林野事業特別会計の債務の償還および利払いの財源に充てられるべきものと判断されるが、たばこ特別税は他の会計を得ることなく、全額が本会計の収入となってる。(一般会計承継債務財源確保特別措置法第24条)
また、一般会計からの国鉄精算事業団の債務ついての本特別会計への繰り入れについては、国債整理基金特別会計法の規定に基づき、適切に繰り入れることとされている。(日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律第6条)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 特別会計のはなし(財務省)
- 国債整理基金特別会計法(法令データ提供システム)