国立天文台ハワイ観測所
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国立天文台ハワイ観測所 (NAOJ Hawaii Observatory) はアメリカ合衆国ハワイ州ハワイ島ヒロに本拠地を置く国立天文台が初めて海外に設置した国立研究施設である。ヒロ市に設置した事務所を本拠地に、マウナケア山頂に設置された観測所「すばる (通称:すばる天文台)」を使い天体観測を行っている。
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[編集] 歴史
1992年ハワイ島中央部マウナケア山頂の天体観測所が集中する場所に大型望遠鏡『すばる』を設置、1998年望遠鏡本体が完成した。初代所長海部宣男。
[編集] 施設の概要
[編集] マウナロア山頂施設
[編集] すばる望遠鏡ドーム施設
- すばる望遠鏡 - 観測所の主観測装置
- 機器調整室 - 観測機器類の微調整等を行う場所
- 機器保管室 - 観測機器類を保管する為の定温倉庫
- 鏡面洗浄・蒸着室 - 数年に一度鏡面のアルミを再度蒸着する必要がある。そのための部屋。
[編集] 観測制御棟
- 観測室 - 主観測装置から送られてくる映像をモニターする部屋。
- 機器モニター室 - 望遠鏡本体及び観測装置、ドーム回転装置等の機器類をモニターする部屋。
[編集] ヒロ山麓施設
- 研究室・実験室 - 研究者達が研究活動や研究指導を受ける部屋。ゼミ形式での運営が行われている。
- 図書室 - 天文学に関する専門書を備えた図書室。欧文専門誌及び和文専門誌、OPAC等の利用が可能。
- 事務室 - 事務処理部門。
- 大型計算機室-富士通製スーパーコンピュータ(VPPシリーズ)が稼動中。
[編集] ハワイ観測所
すばる望遠鏡等の観測装置のモニターや制御等は、マウナケア山頂にて行う。ヒロ山麓施設では、大型計算機室や図書室、研究を行う事務棟を設けている。現在、80名以上のスタッフが常駐し、望遠鏡の開発研究、天文学の研究に携わっている。また、標高4000m以上の高地での長期作業には、高山病等の危険が伴うため、望遠鏡から離れて出来る作業は全て山麓施設にて実施している。
なお、「すばる望遠鏡」(山麓施設を含む)は、国立天文台が運営する10施設の1つで、光学赤外線研究部・光学赤外線観測システム研究系、岡山天体物理観測所、天文データセンター、天文機器開発実験センター、天文情報公開センターと密接な関係がある。
最近の活動としては、ハワイ島イミロア天文学センターに4D2U(4次元デジタルシアター)を設置し、地元「ハワイ大学」や「ハワイ州」との協力関係を進めている。
[編集] 見学
マウナロア山頂にある望遠鏡及び観測施設は、高地(4169メートル)地点にあるため、高山病等の危険が伴う。そのため、見学入場者を16歳以上と限定している。また、観測計画等との間において支障が生じないようにするため(非常に精密な機器群を取り扱う)、予約見学制としている。
本観測所の主観測装置である「すばる望遠鏡」は、光学反射式天体望遠鏡のため、数年に一度主鏡や副鏡の表面に蒸着を行う必要があるため、その期間の見学できない場合がある。
ヒロ山麓施設ではデジタル・シアターや一般公開展示を実施していたが、2006年春からはハワイ州のイロミア天文学センター(天文博物館)へデジタル・シアターを移設し公開展示している。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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