大項目主義
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大項目主義(だいこうもくしゅぎ)とは、一般に百科事典で、大きなテーマの項目名のもとに、小さな項目や事柄について説明する項目立ての方式である。
大項目主義により書かれた事典は、上記のような特徴ゆえに、項目数が小項目主義により書かれた事典のそれよりかなり少なく、その代わりに一項目当りにかける字数がとてつもなく多いという性質を持つ。日本語による事典は、大凡小項目主義が12万~20万項目で、2000万~6000万字なのに対し、大項目主義の場合は3万~10万項目、6000万字~1億字、或いはそれ以上になることも屡である。このことからもわかるように、一項目あたりに数千字~数万字もの字数を費やすことも稀ではない。(それに加え、以下の理由からも)調べ物に使うというよりは、より広い範囲の、より深い情報をまとめて得るための一種の読み物と定義してもよいかもしれない。
中項目主義や小項目主義などと比べて、情報の体系性やまとまりに富み、それぞれの事柄のつながりや関連がよくわかるようになっている。 ただし、ある特定の小さな事柄について調べる場合、索引は必須であり、また、小項目主義のように小さな事柄のみについて1つの項目で解説する項目が存在しないため、調べやすさだけで言えば小項目主義のほうが圧倒的に有利であろう。
ディドロとダランベールなどが執筆した百科全書や、ブリタニカ百科事典の初版は大項目主義をとっていた(ちなみに、現在のブリタニカ百科事典は、小項目事典と大項目事典をセットにして販売している)。現在でも大項目主義の事典が多く刊行されている。