太田資正
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太田 資正(おおた すけまさ、1522年(大永2年) - 1591年10月25日(天正19年9月8日))は、戦国時代の武将。源五郎。美濃守。民部大輔。号は三楽斎(さんらくさい)道誉。元は武蔵国岩付城(現在の埼玉県さいたま市岩槻区)の城主。のち常陸国の片野城城主。
[編集] 血縁
太田道灌の曾孫で、道灌に劣らぬ名将とまで言われた。 資正の太田氏は岩槻太田氏と呼ばれる一族である。父は扇谷上杉氏に仕えていた太田資頼。兄も同じく扇谷上杉氏に仕えていた太田資時。嫡男に太田氏資、次男に梶原政景、そのほかの子に太田資武、太田景資、瀬田資忠がいる。妻は難波田憲重娘、大石定久娘など。
[編集] 生涯
はじめ父や兄と同じく扇谷上杉氏に仕えていた。資正は次男であったため、1541年に父が死去した後、その後は兄が継いだ。1546年、主君・上杉朝定が北条氏康との河越夜戦で戦死し、扇谷上杉氏が滅亡してしまったため、兄と共に北条氏康に降った。その直後、兄が病で早世してしまったため、家督を継ぐ。
その後は北条氏の忠実な家臣として、主に常陸方面で戦った。また、北条氏康も資正が名門太田家の末裔である事に配慮して名目上古河公方足利義氏の家臣として処遇し、嫡男氏資と自分の娘との婚約を行った。しかし1560年、上杉謙信が大軍を率いて小田原に侵攻してくると、北条氏から離反・敵対するようになる。ここから、資正の名将としての力量が発揮されるようになる。
北条氏康は資正に対する報復のため、何度も武蔵岩付城、松山城に攻め寄せた。しかし、常に太田側の援軍が現れ、北条軍は撤退を余儀なくされたのである。実は、資正は軍用犬を飼いならしていたのである。訓練させた犬を数匹、城に置いておき、敵が攻め寄せてきたなら書状を入れた竹筒を犬の首に結び付けて城外に放ち、味方と連絡を取り合うというものである。このことにより、北条側は風魔一党に命じて人間の使者を捕殺しても、犬の使者までもは完全に捕殺できず、常にその軍事行動が太田側に筒抜けになっていたのである。ちなみに、これは日本最初の「軍用犬」創始の起源とまで言われている。資正が曽祖父・道灌に劣らない名将ぶりを見せたと、人々も褒め称えたと言われている。1563年7月2日には朝廷より民部大輔に任じられている。一説にはこれを北条氏康による懐柔策とする説があるが、これによって資正の姿勢が変わることがなかった。
しかし意外な所から足元をすくわれ、岩付城が自身の嫡男・氏資の裏切りにより、落城してしまう。これは第二次国府台合戦で同盟相手の里見氏が敗北した事を知った氏資が、親北条氏の立場から父と弟を城から追放したのである(資正が政景を偏愛し、氏資を疎んじていたからとも)。我が子により城を追われた資正はその後、常陸の佐竹義重を頼り、その配下となった。その後、義重が親北条氏の小田天庵を破って片野城を奪うと、資正はその城主に任ぜられた。資正はここを拠点に北条氏との戦いを続けている。
1590年、豊臣秀吉の小田原征伐のとき、秀吉と謁見している。そして翌年、宿敵・北条氏が滅亡したのを見届けたかのように病死した。