小林富次郎
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小林 富次郎(こばやし とみじろう、嘉永5年(1852年) - 明治43年(1910年)11月13日)は、ライオン株式会社の創業者。1891年に小林富次郎商店を創業した。熱心なクリスチャンで、「そろばんを抱いた宗教家」といわれる。
武蔵国北足立郡与野町(現・埼玉県さいたま市)出身。兵庫県神戸市の鳴行社で石鹸事業に携わっていた1888年、多聞教会で洗礼を受けキリスト教に入信。1891年に起業し、宮城県石巻でのマッチ製造など、いくつかの事業を手がけるが失敗。その後、東京神田柳原河岸の地に石鹸および燐寸の原料取次ぎの「小林富次郎商店」を開設。牧師から歯磨き粉の製造方法を聞き、これを研究して1893年3月に発売した。
事業の成功後、米国の石鹸会社「カーク商会」の事例を参考にして積極的に慈善事業を展開し、岡山孤児院などの施設開設につとめた。
養子の喜一は2代目富次郎を名乗り、ライオンの名誉会長となった。