ノート:岩松鷹司
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岩松 鷹司(いわまつ たかし 1938年2月11日 )は高知市長浜出身の日本の生物学者。
専門は生殖生物学、発生生物学。愛知教育大学名誉教授、日本動物学会の評議員、及び中部支部長を歴任。
東京農業大学を卒業後、名古屋大学大学院理学研究科生物学専攻に進学し、山本時男に師事した理学博士(名古屋大学)。日本動物学会論文賞(1992)受賞。
メダカを研究材料として選び、卵の操作等の微細実験技術を独自に開発し、卵や受精の発生現象に多くの業績をあげた。2007年に入り、卵母細胞や受精卵の性ホルモン処理による性転換に成功している。エクオリンを用いた受精波の可視化、成長中の卵母細胞の回転の発見などで有名。渡米し、哺乳類の精子受精能獲得の発見者で、世界初体外受精の成功者であるM.C.Changと柳町隆造と共に哺乳類の卵・精子の成熟を研究。マウスを用いた体外での精子成熟や体外受精の研究をネイチャー(1969)や海外の専門誌で発表している。
定年退官後も研究を続け、2006年までに発表した論文は200編を超える。 生殖生物学、発生生物学だけではなく、東南アジアに学術調査に行き、メダカの分類学、形態学、生態学にも多くの業績があり、それらを著書「メダカ学全書」(大学教育出版、1997)をはじめ、「魚類の受精」(培風館)など多数の著書に結実させた。美術的才能にも恵まれ、メダカ成魚のスケッチ図、メダカの発生ステージ表の図(Mechanisms of Development, 121, 605-618, 2004)などにその片鱗がうかがえる。また、趣味として取り組んだ、蝶の羽による数点の絵画は秀逸である。
定年退職後、日本メダカトラスト協会の初代会長に就任し、毎年全国めだかシンポジウムを開催するほか、日本各地の野生メダカの保護運動にも取り組んでいる。2007年現在、日本化学協会ピアレビュー委員会委員でもある。
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