帰国のための渡航書
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帰国のための渡航書(きこくのためのとこうしょ)とは、日本国外の領域に居住・滞在する日本人で日本国旅券を盗難・紛失・損傷・失効し又は所有していない者が、やむを得ない理由により(新たな旅券の発給を待つ時間的余裕がないほど)緊急に日本に帰国する必要が生じた場合に、在外公館で交付される片道有効の渡航書である。旅券法第19条の3に規定されている。
[編集] 概要
一般的には、日本国外において旅券を盗難・紛失に遭った旅行者等が、管轄する日本国領事館に相談・申請をして交付を受ける例が多いとされる。日本への帰国目的に限定された旅行文書であるため、通常は有効期間が数日間とされ、交付地の属する国からの出国手続と日本到着時の帰国手続にのみ行使が限定される。ただし、「経由地」欄が設けられており、旅程上真に必要であると領事官に認められ記載された第三国がある場合は、その国における航空機等の乗継ぎ・宿泊のための一時入国に使用することも可能となっている。
帰国に際して空港などの入国審査場においては、通常の審査場所(ブース等)ではなく確認のため脇にある審査事務室に行くよう指示される。この渡航書は、入国審査官により帰国確認がされた時点でその効力を失う。
旅券と異なり、外交用・公用・一般用などの区別はない。
[編集] 旅券の失効
法令上、この渡航書が交付された段階で元の旅券は失効し、日本国外務省の旅券データベース上も失効処理され旅券番号が官報公示される。このため、仮に後で発見され手元に戻って来ても行使することはできず(旧旅券で日本を出国しようとした段階で差し止めとなる)、日本からの出国をする場合は新たな旅券を取得しておく必要がある。
帰国後、新たな旅券を申請する際、引き続きこの渡航書の保有を希望すれば無効処理(パンチで「VOID」の消印がされる)をして返却してくれることがある。