常装束
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常装束(つねしょうぞく)は、舞楽で最も普通に使われる衣装一式。正式には襲装束(かさねしょうぞく)と言う。
- 赤大口(あかおおくち):赤い大口袴。普通は束帯姿のときに表袴(うえのはかま)の下に履くもの。
- 指貫(さしぬき):平絹や綾などで布八枚分の幅に仕立てた袴。裾を絞って着用する。括り緒の袴
- 赤単(ひとえ):紅の裏のない下着。
- 下襲(したがさね):半臂(はんぴ)の下に着る裾(きょ/後ろに引く尾のような部分)の長い衣装。
- 半臂(はんぴ):袖の無い胴着だが舞楽では豪華に刺繍されており、狭い袖がつく。「忘れ緒」という飾り紐を腰に結ぶ。
- 袍(ほう):盤領(ばんりょう/円襟)の上着。左方は金糸、右方は銀糸の帯を締める。この常装束のときは片袖を脱いで半臂を見せる。
- 甲(かぶと):舞楽に用いられる鳥兜
- 踏懸(ふがけ):錦で作る脚絆状の脛当て。
- 絲鞋(しがい):絹糸(略式は柔道着の生地)で作った靴。
の一揃い。演目によって、太刀、裲襠や鳥足などの付属品を付け足したり置き換えたりする。別装束が用意された曲目もある。
- 裲襠装束:走り舞など動きの大きい舞の衣装。鎧を模した裲襠という貫頭衣をつけて、袖を手首で括る。
- 蛮絵装束:随人という下級武官の衣装の褐衣(かちえ/胸に蛮絵を墨で描いた動きやすい装束)に準じる。巻纓冠(けんえいかん/纓と言う後ろの飾りを巻き上げた冠)をかぶる
[編集] 関連項目
- 平安装束
- 別装束