ノート:平衡
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こんなものを作ってみる。かみや 00:15 2003年12月16日 (UTC)
[編集] 「固体の濃度」の件
現在の「固体の濃度」の説明に関しては、少し「方便」かなと考えます。もともと質量保存の法則は経験則です。物理化学的な意味での化学平衡の量的関係の理論的解釈は反応速度論の衝突説が出発点になっています。衝突説は衝突頻度をモル分圧の積と解釈するので気体ではモル濃度とモル分圧が等価になります。つまり衝突頻度はモル濃度の関数になります。液体中での均一系化学反応になるとモル濃度と衝突頻度の関係はまだ存在するのですが段々あやしくなってきて、場合によっては活量係数などという補正因子が必要になってきます。本文で例示されていような不均一系では、反応は炭素の表面のみで起こります。炭素の表面積は反応のはじめから一定で、少しくらい炭素が失われてもほとんど変わらないので、「炭素と水との衝突は一定の表面積上で起こるので炭素量の変化にはほとんど依存しない」それ故、反応速度論から見ても炭素量が化学平衡定数に影響しないというのが妥当な解釈のように考えます。--あら金 2007年3月21日 (水) 08:10 (UTC)
- まず、はじめにお断りしておきますが、私は専門家ではありません。そのうえで、まずwikiに書くべきことの私なりの基準を書こうと思います。まず、100という量の事実があったとして、本文に90の量の事実しかなくても、90を読者が読めたとします。その一方で、100の量の事実が本文にあっても、一般的な読者が60の事実しか理解できなければ、私は先の書き方の方がいいと考えます。その事を踏まえて、私は多少方便でも、もし分かり易いのであれば(きっちりと正確ではなくても)、分かりやすい書き方のほうを書きたいと思っています。(正確にかけないということもありますが…)
- ところで、「炭素と水との衝突は一定の表面積上で起こるので炭素量の変化にはほとんど依存しない」という状況は、「反応容器の体積に比べて無視できる体積の炭素を加える」状況の十分条件(*1)(*2) とみなしても良いのでしょうか?(アホドックな仮説というやつだったらすみませんが)、十分に細かくした固体を反応容器に入れた場合は表面積は無視できなくなってしまいそうですよね?しかし、その点、反応容器の体積に対して無視できる量なら細かくしても問題なさそうではないですか?このような、但し書きを大量につけていくと見にくくなりませんか?
- (*1 先の条件はあとの条件より狭い といいたいのですが、必要条件と間違っていたらごめんなさい)(*2 必要条件と十分条件はwikiにないようですね、検索しても出てきませんでした)--Raiaqp 2007年3月21日 (水) 12:49 (UTC)
- 「炭素と水との衝突は一定の表面積上で起こるので炭素量の変化にはほとんど依存しない」というのは固-気反応の性質の話ですので、状況でも条件でもありません。--スのG 2007年3月21日 (水) 13:16 (UTC)
- 1辺が100μmの球状のコークスの場合、表面に存在する炭素は全体の0.9×10-3パーセントです。したがって大半の炭素は水分子と接触できる部分にいないので反応には関与しません。同じ粒子径の炭素を追加して二倍にして表面積を二倍にすると、1つの炭素と(あるいは単位面積当たりの炭素と)水とが衝突する機会は半分になります。量が二倍で頻度が半分ですから相殺されて反応速度は変化しません。--あら金 2007年3月23日 (金) 11:55 (UTC)
固-気反応で「固体の濃度」という言葉を使われてしまったことについて、実は悩んでいました。表現としては不正確きわまりません。誤解を招くので私も根本的に直したいんです。ですが、あまりすぐにバッサリやってしまうと Raiaqpさんのやる気を削ぎはしないか、と心配しておりました。方便や比喩を使うことは場合によりけりと思いますが、誤解を招くのは禁物です。もしも誤解をまねかずに分かりやすく書く方法が見つからなければ、いったん筆をおいて他の記事の執筆を考えるのがよろしいかと思います。また、複相の化学反応系には手を出されないほうがいいでしょう。勝手を言いますがよろしくお願いします。--スのG 2007年3月21日 (水) 13:16 (UTC) 下線部挿入 --スのG 2007年3月21日 (水) 13:43 (UTC)
- 分かりました。どうぞ、ご自由に編集なさってください。--Raiaqp 2007年3月21日 (水) 14:41 (UTC)
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- (専門ではないと明言されているので、ご返答は求めませんが)反応速度にも書いてありますが、反応速度の濃度項のべき乗係数は反応式の係数とは必ずしも一致しません。言い換えると、反応式に出ててきても濃度項べき乗係数が0になる反応速度#零次反応の場合があります。反応速度をすべて反応式の係数と濃度で説明できれば美しいですが、理論には必ず限界や制限があります。コークスの例は理論の限界を超えているので理論に当てはめようとしても無理が生じるということと考えます。説明をするのに無理をする必要はないと思います。「固体など不均一反応では化学式に現れる反応物や生成物の量が反応速度に影響を与えない場合もある。その場合は反応速度と逆反応速度の比で表わされる平衡定数にも速度に影響を与えない分子種の濃度項は現れない」という様に理論の限界を説明すればよいのではないかと考えます --あら金 2007年3月22日 (木) 22:32 (UTC)
文献一つ見つけました。
- Trudela, J.; Hosattea, S.; Ternan, M. "Solid–gas equilibrium in chemical heat pumps: the NH3–CoCl2 system" Applied Thermal Engineering 1999, 19, 495-511. DOI: 10.1016/S1359-4311(98)00066-0
固-気平衡反応はこんなのです。
- CoCl2·2NH3(s) + 4NH3(g) = CoCl2·6NH3(s)
擬平衡 (pseudo-equilibrium) 状態について van't Hoff plot を行うと温度の昇降でヒステリシスがあり、熱ポンプとなっているのだそうです。ちゃんと読んだら記事に加筆します。この例はアンモニアの脱着ですが、他に結晶水の脱着に取り組んだチェコスロバキアの論文とかがありました。--スのG 2007年3月21日 (水) 19:00 (UTC)