廃妃尹氏
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廃妃尹氏(尹妃)(はいひゆんし(ユンビ)、生年不明 - 1482年)は李氏朝鮮第9代国王成宗の二代目の王妃で、10代国王燕山君の生母である。成宗の最初の王后であった恭恵王后韓氏が1474年に死去すると正后の位に登った。
美しい容姿をしていた尹氏は成宗に寵愛されたが、嫉妬深い性格であったとされ、王や宮廷の女官に尊大な態度を見せたり、成宗と関係をもった女官を殺害するなどし、わがままな行為が目立った。最初は寛容に接していた成宗も、次第に疎んでいった。しかし、尹氏のもとに訪れた成宗は尹氏の母が残していった箱に、呪詛の文が書かれた書を発見、成宗は激怒し、尹氏を王妃から嬪の位に降格した。
3年後、久々に成宗が尹氏のもとを訪ねると、尹氏は嫉妬のあまり成宗の顔を爪で引っ掻くという失態をおかした。成宗の生母・仁粹王妃(インスワンビ・徳宗の妻。1437年 - 1504年)や他の妃の強い要求により、成宗は尹氏を廃妃とし、宮廷から追放した。しかしさらに強まる廃妃尹氏への処罰への嘆願と尹氏の素行不良により、成宗は廃妃尹氏は死薬を飲ますように命令、1482年、廃妃尹氏は死薬を飲み、絶命した。後に燕山君はこの尹氏の死の経緯を知り、甲子士禍へとつながっていく。
[編集] 関連項目
- 甲子士禍
- 宮廷女官チャングムの誓い(第1話「二人目の女」の冒頭で廃妃尹氏が登場する)