弾性
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弾性(だんせい)とは力を加えると変形するが、除荷すれば元の寸法に戻る性質をいう。原則的には固体に見られる性質である。英語で弾性をelasticityというが、この語源はギリシャ語の「戻る」からきている。多くの材料は、変形が小さい範囲(弾性範囲内)では、変形しても元に戻る、つまり弾性をしめす。この言葉を最初に使ったのはボイルである。 このとき、応力 σ はひずみ ε に比例し、その比例定数をヤング率 Eという。
- σ = Eε (フックの法則)
応力がある限界をこえると、弾性の性質から、元にもどらない塑性変形を起こす領域へ変わる点(弾性限界点、 降伏点)がある。
弾性体という用語は、工学的分野で材料の変形を議論する場合のモデルの分類としてつかわれる。(「弾性体力学」など)。
材料の分野で弾性体(elastomer)はゴムのように、金属などに比べて大きな変形をする材料をいう。ゴムの弾性は(ピストンに閉じ込められた気体の示す弾性のように)エントロピー弾性に分類される。(それに対して金属などのしめす弾性をエネルギー弾性と呼ぶ。)