忠誠宣誓
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忠誠宣誓（ちゅうせいせんせい、独：Gelöbnis, 英：Oath of the total obedience to the Führer）とは、プロイセン王国時代より軍人に求められた君主への忠誠の宣誓を指す。
第一次世界大戦末 1918年11月9日ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世は、反旗の上がったベルリンに兵を送ろうとするが、集まった高級将校の多くは是としなかった。皇帝は、プロイセン軍人の忠誠宣誓はどうなったんだと詰るが、「陛下、忠誠宣誓はもはや空虚な観念に過ぎません。」と参謀本部次長のグレーナー (Wilhelm Gröner) が諭したと言う。同日皇帝は退位した。
ここでは第一次世界大戦後のドイツの軍人の忠誠宣誓文の変遷について述べる。左手を軍旗に触れて右手を上方に差し上げ、宣誓することからドイツ語では軍旗宣誓 (de) と呼ばれる。訳文は正式な宣誓文ではない。
- ヴァイマル共和国時代の国防軍 Reichswehr（1919年8月14日）の宣誓
- "Ich schwöre Treue der Reichsverfassung und gelobe, dass ich als tapferer Soldat, das Deutsche Reich und seine gesetzmäßigen Einrichtungen jederzeit schützen, dem Reichspräsidenten und meinen Vorgesetzten Gehorsam leisten will."
- 「私は、憲法に忠誠を誓い、勇敢な兵士としてドイツ国と国家機関を防衛し、大統領と上官に服従することを誓います。」
- アドルフ・ヒトラーが政権獲得した1933年の12月1日の新しい宣誓文
- "Ich schwöre bei Gott diesen heiligen Eid, dass ich meinem Volk und Vaterland allzeit treu und redlich dienen und als tapferer und gehorsamer Soldat bereit sein will, jederzeit für diesen Eid mein Leben einzusetzen."
- 「私は、我が民族と祖国に常に忠誠を尽くし忠実に仕え、勇敢で従順な兵士としていかなる時もこの神聖なる宣誓をもってわが身を捧げることを誓います。」
- 1934年8月2日の改定版の宣誓文（1935年にはWehrmachtと改称された）
- "Ich schwöre bei Gott diesen heiligen Eid, dass ich dem Führer des Deutschen Reiches und Volkes, Adolf Hitler, dem Oberbefehlshaber der Wehrmacht, unbedingten Gehorsam leisten und als tapferer Soldat bereit sein will, jederzeit für diesen Eid mein Leben einzusetzen."
- 「私は、ドイツ国とドイツ民族の総統であり、同時に国防軍最高司令官であるアドルフ・ヒトラーに対して進んで無条件の忠誠を捧げるとともに、勇敢な兵士として、何時でも身命を賭する用意のあることを、この神聖なる宣誓をもって、神かけて誓います。」
- 親衛隊の宣誓文
- "Ich schwöre Adolf Hitler unerschütterliche Treue. Ich schwöre ihm und den Führern, die er mir bestimmt, unbedingten Gehorsam. Adolf Hitler: Sieg Heil!"
- 「私は、アドルフ・ヒトラーに対して揺るがぬ忠誠を誓います。ヒトラーと上官に絶対の服従を誓います。アドルフ・ヒトラー：ジーク・ハイル」
[編集] 文献
- Theodor Plievier（著）、舟木重信（訳）、1918年10月初旬からドイツ皇帝が退位した1918年11月9日までの政治家、軍人の動きを描く。1932年に原本は出版された、『カイゼルは去ったが、将軍たちは残った』、白水社、1953年
- 四宮恭二（著）、ドイツ留学生、『ヒトラー・1932-1934（下）』、日本放送出版協会、1981年
- 加瀬俊一（著）、ドイツ駐在外交官、『ワイマールの落日』、光人社、1998年、ISBN 4-7698-2189-1
