怪しい伝説
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怪しい伝説(あやしいでんせつ 原題: MythBusters)は、ディスカバリーチャンネルおよびBBC 2で放送されているテレビ番組である。アメリカでは2003年から放送されている。
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[編集] 概要
アダム・サヴェッジとジェイミー・ハイネマン(番組内では『伝説バスターズ』と称している)が、アメリカのちまたで噂されている都市伝説などの怪しい伝説を検証する番組。
アダムとジェイミーは長年、映画などの特殊効果に携わり、いろいろな機材を製作した経験を元に、実験機材を作成し、噂が本当かどうかを検証する。番組では毎回3つ取り上げ、アダムが検証する噂を切り出し、ジェイミーがどういった機材が必要か提案する。二人の話し合いの後、専門家の意見が必要と判断されれば、インタビューに行く。検証するのは、財布を使った小さいものから、飛行機を使うぐらいの大がかりなモノまである。
主な舞台はジェイミーの仕事場であるガレージを兼ねた巨大な資材倉庫。機材製作にはあまり新品のものを使用せず、廃材や前に造った機械などを再利用することが多い。倉庫の隣に廃車保管置き場があり、そこから調達してくる。また、飛行機関係は、軍用機や旅客機の墓場と呼ばれるアリゾナ州のデビス・モンサンで調達してくる。
また、ことわざを検証する企画もある(「干し草の山から針を見つけるようなもの」→実際に干し草の山に針を落としてそれを探してみる、「転がる石に苔は生えない」→実際に苔が生えやすい状況で石を転がし続けて苔が生えないかどうかを試してみる、など)。
なお、二人とも爆発が好きで、爆発系のモノで爆発しなければ、大体、最後に意味もなく爆発させる。
[編集] 出演者
- アダム・サヴェッジ (Adam Savage)
- メインキャスターの一人。陽気な性格で実験を楽しんでする。爆発好き。ジェイミーが製作した機材を体当たりで、実験する役。勿論、機材作成を行うときもある。カウボーイハットがトレードマーク。少々毛が薄い。ILM、ワーナーなどを経て、現在はフリー。
- ジェイミー・ハイネマン (Jamie Hyneman)
- メインキャスターの一人。冷静な性格でほとんど笑ったことがないが、たまに愛嬌のある笑顔を見せる。機材の設計/製作は主に彼が行う。口ひげにベレー帽がトレードマーク。普段の姿は、特殊効果を手掛ける企業「M5 Industries」のCEO。
- グラント・イマハラ (Grant Imahara)
- 「M5 Industries」の登録スタッフ。THXラボ、ILMを経て現在に至る。ToryとはILM時代からの同僚。ILM時代はスターウォーズ新三部作、マトリックスシリーズなどを手掛けている。
- トリー・ベレッチィ (Tory Belleci)
- 本名「Salvatore Belleci」「M5 Industries」の登録スタッフ。以前はILMに所属しており、グラントとはその時代からの同僚。ILM時代はスターウォーズ新三部作などを手掛けている。
- カリー・バイロン (Kari Byron)
- 「M5 Industries」の登録スタッフ。本業はサイケデリックなフィギュアを得意とするアーティスト。
- バスター
- 元々は、自動車の衝突実験に使われる人形であったが、危険な人体実験など必要とする場合に使われる。実験の度に散々いじられており、かなりボロボロになっているが、出演者たちに愛されている。
[編集] 主な検証実績(ファーストシーズン)
- 便器の化学反応 (原題: Ice Bullet, Exploding Toilet, Who Gets Wetter?)
- 携帯電話の起爆 (原題: Cell Phone Destruction, Silicone Breasts, CD-ROM Shattering)
- 滑車とレンガの災難 (原題: Barrel of Bricks, Pissing on the Third Rail, Eel Skin Wallet)
- 高層ビルから落ちた小銭 (原題: Penny Drop, Deadly Microwaves, Radio Tooth Fillings)
- 墓穴で生き返った人 (原題: Hammer Bridge Drop, Buried Alive, Cola)
- 舌ピアスと雷 (原題: Lightning Strikes Tongue Piercing, Tree Cannon, Beat the Breath Test)
- 臭い車 (原題: Stinky Car, Raccoon Rocket)
- アルカトラズ脱走 (原題: Escape From Alcatraz, Duck Quack, Stud Finder)
- アルカトラズ島から脱出したと言われているフランク・モリスらが本当にイカダを使って脱出することが出来たのか否かを検証した。モリスらが渡ったサンフランシスコ湾は潮流が早く、イカダで渡る際に途中で難破したのではないかといわれていたが・・・。
- チキン砲 (原題: Chicken Gun, Octopus Egg Pregnancy, Killer Washing Machine)
- イギリスが高速列車を作成するに当たり、運転席のガラスが高速走行中に鳥がぶつかっても問題ないことを実験するためで、飛行機のガラスの耐久実験に使われている『チキン砲』なる鳥を発射できるものをNASAから借りてきた。そして、実験をしたが計算上耐えられるはずのガラスが破壊されたため、「威力が強すぎるのでは?」とNASAに問い合わせたところ、「肉は解凍したか?」と返事が返ってきた。
- その伝説を元に、『解凍した肉』と『冷凍したままの肉』では破壊力が違うのか? という検証を行った。機材は空気圧で肉の塊を発射できるモノを作成。用意されたのはセスナの前面ガラスで、デビス・モンサンから何枚か拾ってきたモノ。結果は、どちらも変わらないだった。
- しかし、視聴者から「実験に使われた前面ガラスは、強度が弱く鳥の直撃に耐えられないモノだ」と指摘されることに。そして、再検証を行った。今度は通常のガラスを、10枚ほど並べてどちらがより多くガラスを割ることが出来るか? で威力の違いを検証。結果は『冷凍したままの肉』の方が破壊力があることを証明された。
- 飛行中の急減圧 (原題: Explosive Decompression, Frog Giggin', Rear Axle)
- 沈没船の下降水流 (原題: Sinking Titanic, Goldfish Memory, Trombone Explosion)
- 足踏みで壊れる橋 (原題: Break Step Bridge, Toothbrush Surprise, Rowing Water Skier)
- 消された労働運動家 (原題: Buried in Concrete, Daddy?Longlegs, Jet Taxi)
[編集] 主な検証実績(セカンドシーズン)
(セカンドシーズン初回は検証済み事例の再検証、原題:Myths Revisited)
- 鏡で軍船炎上? (原題: Archimedes' Death Ray)
- アルキメデスが凹面鏡を作ってローマの軍船を焼いたという『アルキメデスの鏡』についての検証。用意した鏡は、伝説に出てくるような巨大な一枚鏡を特殊発注できないため、小さな鏡を並べて同じ効果を得られるように設計した。そして、ローマ軍艦に見立てた木製の実寸代模型に光を照射した。結局、温度上昇は認められたが、炎上するようなことはなかった。その後、対象物にタールを塗るなど燃えやすいようにして再実験したが、炎上するようなことはなかった。
'*エレベーター墜落伝説' (原題: Elevator of Death, Levitation Machine)
- スピード違反を免れる方法 (原題: Beat the Radar Detector)
- 小説に出てくる殺人手法 (原題: Killer Quicksand)
- ピンポン玉でサルベージ (原題: Ping-Pong Rescue)
- 車の省エネ対策検証 (原題: Boom-Lift Catapult, AC vs. Windows down)
- 殺虫剤の爆破実験 (原題: Exploding House)
- 明王朝時代の飛行実験 (原題: Ming Dynasty Astronaut)
- ブラウンノートの香り (原題: Brown Note, Water Torture)
- サルサソースで脱走実験 (原題: Salsa Escape, Cement Removal)
- おまるの化学反応 (原題: Exploding Port-a-Potty, Car Pole-Vault)
- あくびは伝染するか (原題: Is Yawning Contagious?)
- 缶ビールを一番早く冷やす方法 (原題: Cooling a Six-Pack)
- 流れ弾で妊娠? (原題: Son of a Gun)
- ピラミッド・パワーの検証 (原題: Jet Pack)
- 緊急着陸時の姿勢検証 (原題: Killer Brace Position)
- 水の防弾効果検証 (原題: Bulletproof Water)
- 人間発射機で越境? (原題: Border Slingshot)
- ティッシュの一撃 (原題: Killer Tissue Box)
- 避難いかだで空中浮遊? (原題: Escape Slide Parachute)