手錠
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手錠(てじょう)は手首にはめて腕の自由を奪うための拘束具。通常は金属製だが、フレックスカフと呼ばれる樹脂製のもの(電工用の「タイラップ」と同種)もあり、こちらは主にアメリカで(逮捕者を多数出す事が予想される強制捜査などに)使用されている。
警察官が被疑者を逮捕する時、保護しようとした泥酔者が暴れるなどして危険な場合などに用いる。またBDSMにおいても使用される。
手錠は拘束者の手の自由を不完全に奪うが、下半身にはなんら制約を加えていないため、身体的には逃走は可能(腕が振れないため走ることには制約がつきまとうが)である。また、衣類のボタンの掛け外しなどは支障なくおこなえる枷であり、拘束衣のようなものとは性格を異にする。こうしたことから、手錠や江戸時代の手鎖は、行動や表現の自由をカタチとして奪うものという性格が指摘できる。
同種の拘束具に、両手の親指に嵌めて腕の自由を制限する指錠、足首に嵌めて逃走を防止する足錠(歩幅が歩く以上に広がらないよう鎖で制限されている)というものもある。
日本では司法機関使用の製品を市中に出回ることを禁止しているが、アメリカでは法執行官が消耗した装備品を個人購入出来る事もあり、市販されている(ピアリス、スミス&ウェッソン、ビアンキ・インターナショナルなどが有名)。