新アレクサンドリア図書館
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新アレクサンドリア図書館(しんアレクサンドリアとしょかん、Bibliotheca Alexandrina)は、古代アレクサンドリアに栄えながら、戦火によって失われたアレクサンドリア図書館を甦らせ、古代の学問と博識の中心地としての輝きを取り戻そうと、ユネスコとエジプト政府が共同で建設した巨大な図書館兼文化センターである。
古代アレクサンドリア図書館の滅亡から1500年以上経った2001年8月1日、アレクサンドリア市北部のかつて図書館があったとされる場所に再建された。コンピュータネットワークも駆使し、エジプトやアラブなど地中海諸国の文化文物に関する文献を収集する方針である。最初は最盛期より少ない蔵書数40万冊からの出発だが、最終的には800万冊の大図書館を目指しているという。
図書館の建物は11階建て、総面積約8万5000平方mの巨大な建築で、建造費は約2億ドルを費やした。そのユニークな意匠は1989年にエジプトが開催した図書館設計のコンペでノルウェーの設計事務所が数百もの候補の中から勝ち取ったもので、直径160メートルの斜めに切り取られた巨大な円柱が地面に埋もれているという特異な形状をしている。蔵書の大部分は地下の書庫に収められる。