日射計
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日射計(にっしゃけい)は、日射量を測る装置である。
日射量とは、単位面積・単位時間あたりの太陽放射エネルギーの量であるから、その観測は、感部において輻射を熱、電気等に変換して測定することによって行われる。現在は、即時的かつ無人での観測が容易なことから、光電素子を用いて日射量を電気信号に変換する方式が一般的である。
日本では、気象業務法及びその下位法令により、公共的な気象観測には、検定に合格した電気式日射計を用いることとされているが、その指し示す実態は、散乱日射も含む全天日射を観測する全天電気式日射計であり、直達日射(直射日光によるもの)を観測する直達電気式日射計の使用は想定されていない。
[編集] 全天電気式日射計
感部は半球形の透明風防の中心にシリコンフォトダイオード等の光電素子を置く構造になっており、光電素子の発電量から日射量を測定する。風防以外の外面は白色塗装又は銀メッキされて日射の吸収による内部の過熱や観測誤差を防ぐようになっている。観測にあたっては水平に設置する必要があるため、水準器及び水平調整装置を備える。
許容される器差は、3%(感部のみについて2%)である。
[編集] 直達電気式日射計
感部は外面を銀メッキ等の反射表面、内面をつや消し黒とした筒の底に光電素子を設けた構造になっており、太陽の南中高度(太陽面)の年変化及び時刻並びに光センサを用いた自動追尾機構によって日中は常に筒先を太陽に指向することで、直射日光による日射量を測定する。
データ記録装置と接続して、直達日射量が0.12kW/m2以上となった時間を積算することにより、日照時間の測定を行うこともできる。