日本語能力試験
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日本語能力試験(にほんごのうりょくしけん、Japanese Language Proficiency Test、略称JLPT)は、財団法人日本国際教育支援協会の主催で、最も定評のある日本語の検定試験の一つ。日本語を母語としない人を対象に、日本語能力を測定し認定する公的な資格試験である。1984年開始当時は、世界15カ国・地域で7千人ぐらいの受験者であったが、その後、年々受験者数が増加し、2006年には世界の50カ国・地域で過去最高の約43万人が受験した。
日本語を母語としない者の場合、日本の国立大学への派遣留学には「日本語能力試験1級」を要求されることが多い(日本人がアメリカ留学に際して、TOEICやTOEFLで高得点を獲得した証明を要求されるのと同等)。なお、私費留学の際は2002年から条件ではなくなったが、日本留学試験を受けなければならない。
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[編集] 試験の概要
1~4級まであり、試験は年に1度(12月前半)実施される。国内はもちろん、海外の多くの国と地域でも受検することができる。海外では韓国、中華人民共和国、台湾の学生を中心に受験者が多い。なお、受験申し込みは例年7月から9月初旬に受け付ける。
[編集] 受験級
- 1級
- 社会生活をする上で必要な、総合的な日本語能力。900時間程度学習した上級レベル。高度の文法・漢字(2,000字程度)・語彙(10,000語程度)が求められる。
- 2級
- 一般的なことがらについて、会話ができ、読み書きできる能力。600時間程度学習し、中級日本語コース修了したレベル。やや高度の文法・漢字(1,000字程度)・語彙(6,000語程度)が求められる。
- 3級
- 日常生活に役立つ会話ができ、簡単な文章が読み書きできる能力。300時間程度学習し、初級日本語コース修了したレベル。基本的な文法・漢字(300字程度)・語彙(1,500語程度)が求められる。
- 4級
- 簡単な会話ができ、平易な文、又は短い文章が読み書きできる能力。150時間程度学習し、初級日本語コース前半を修了したレベル。初歩的な文法・漢字(100字程度)・語彙(800語程度)が求められる。
[編集] 試験内容と合格基準
次の3分野で行い、各時限の間に休憩時間を挟む。
- 「文字(漢字)・語彙」(100点)
- 「聴解」(100点)
- 「読解・文法」(200点)
合計400点満点のうち、1級は280点(全体の70%)、それ以外の級は240点(全体の60%)以上得点すれば合格。
[編集] その他
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 財団法人日本国際教育支援協会
- 日本語能力試験のひろば
- 日本語能力試験フォーラム
- 第3次出入国管理基本計画
- 特定非営利活動法人グローバル人材育成協会 - 「ヒトの移動」(専門的,技術的分野における外国人労働者の受入れの推進、人口減少時代への対応、留学生,就学生の適正な受入れ、研修・技能実習制度の適正化、長期にわたり我が国社会に在留する外国人への対応)に関する民間レベルの提言、会議、支援、提案等を行う。
- 日本経団連「第三次出入国管理基本計画における主要な課題と今後の方針」に対する意見ならびに要望