日本陸軍鉄道連隊一〇〇式鉄道牽引車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一〇〇式鉄道牽引車(ひゃくしきてつどうけんいんしゃ)は日本陸軍鉄道連隊が使用した軌道・道路両用の六輪起動自動車である、九八式鉄道牽引車の改良型。
目次 |
[編集] 概要
南方作戦向け鉄道牽引車を新たに開発することになり、当時標準的な軍用トラックである九四式六輪自動貨車を基に設計し直したのである。いすゞ自動車で1942年頃から本格的に生産され、社内名称ではZK20と呼ばれていた。
鉄道の応急運転や野戦鉄道敷設なとに使用され、主に軽機関車のかわりに各種軍用貨車を牽引。また装甲列車の先駆・線路の巡回など、鉄道の保守・警備に活用された。時には、車輪を交換して通常のトラックとしても運用すること。
軌道上は鉄輪で、道路上ではタイヤに換装した走行した。各地の軌間に対応し、1067mm、1435mm、1524mmを中心としで、さらに東南アジアの1000mm軌間にも簡易改造に対応可能した。なお、転路用ジャッキは車両前後に装備してあり、随時・随所の簡便使用が特徵である。
機関は空冷式直列六気筒90馬力7980ccディーゼルエンジンとなり、ウォームギアで動力を伝達していおり、軌道上において九七式軽貨車5両を時速30km~40kmで牽引する能力を有していた。また、変速機の最前列が逆転機になっているので、前・後進とも等速度での運転切り替えができた。
太平洋戦争後期の本土決戦準備に当たり、国鉄が軍より貸与を受け、軍需工場の入換用などで実用化に努め奨用されるとともに、軽列車の運転取り扱い関する国鉄の戦時規則が制定された。戦後、九七式軽貨車数百両とともに国鉄に委譲した、国鉄・私鉄・工場専用線等にて保線機械や入換動車等として活躍した。軌道・道路両用の性能により、架線保守車および軌道道路両用モーターカーの開発に貴重な参考資料となった。
[編集] 諸元
- 全長 6.10m
- 全幅 2.44m
- 全高 2.45m
- 重量 6.3t
- 速度 単車時 60km/h、列車牽引時 40km/h
- 軌道上牽引重量 60t (九七式軽貨車4~6輌)
- 牽引力 2500t
- 回転半径 軌道上 60m、路上 83m
- 機関出力 標準 63HP、最大 90HP
- 燃料 軽油 23km/l (列車牽引)
- 転路 転路用ジャッキ使用により約5分
[編集] 保存車
戦後、陸上自衛隊第101建設隊で使用した一〇〇式鉄道牽引車。1966年同隊解散後、今は埼玉県朝霞駐屯地輸送学校の前庭に展示された(平日非公開)。
[編集] 参考文献
- 五十嵐平達「100式鉄道牽引車ものがたり」 1~3
- ネコ・パブリッシング『Rail Magazine』1992年1月~3月号 No.100~102
この「日本陸軍鉄道連隊一〇〇式鉄道牽引車」は、武器・兵器に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています。(軍事ポータル|軍事PJ|航空PJ) |
カテゴリ: 日本の鉄道車両 | 軍用車両 | 鉄道関連のスタブ項目 | 武器・兵器関連のスタブ