明治鍼灸大学
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明治鍼灸大学(めいじしんきゅうだいがく、英称:Meiji University of Oriental Medicine)は、京都府南丹市日吉町にある私立大学。学校法人明治東洋医学院。日本最初の鍼灸大学であり、大学院ができたのも最初である。現在は、柔道整復学部と看護学部が併設されており、多角化されつつある。
鍼灸における教育内容は、主に70年代以降の針麻酔(鍼鎮痛)としての効果を追求するための神経生理学が主である。現代中医学をベースとした内科系疾患に対する臨床研究も理想として存在するが、未だ臨床的意義を見いだせていない。基本的な東洋医学は、経絡治療ではなく、中医学であり、中国の中医薬大学の教育法でない手法による教育であり、まだまだ水準は低い。また、小さな勉強会的内容も濃く、それほどアカデミックな嗜好も見られない。中医師による臨床指導や中医学の濃密な研究もされていない。学生の東洋医学修得には学生自身が独自の行動と努力が必要とされるが、これは専門学校でも同じことである。
90年代における当校の基本コンセプトは、「中西医結合」であったが、残念ながら、結合するものがそこになかった。そもそも東洋医学の教育というものが、日本に芽生えたのは70年代後半であり、70年代以降、教科書の基本は中医学の教科書と柳谷素霊氏の著作内容を混ぜただけのものである。もちろん、東洋医学教育を担う人材にも不足しており、教員資格と鍼灸の東洋医学的教養を身につけた者は極希である。これは当時も今も全く変わりがない。また、当時から臨床教育も万全とは言えず、臨床実習を実施する施設を探すだけで一苦労であった。それでも、鍼灸の基礎医学としては学術的に高く、医学的教育も非常に専門的である。だが、研究内容が濃厚であったのは、70~80年代までであり、近年はそれほど大きな進展も隆盛も見られない。 現在、当校では、臨床研究の重要性がクローズアップされつつあり、大学院修士課程に臨床専門のコースが開設されている。これを2類と称し、それまでの基礎医学的な研究コースを1類と称している。 一方、2002年に柔道整復学部が、2006年に看護学部が併設されたが、これまでの鍼灸学部の影響は薄く、教育内容に東洋医学的な内容が充実しているわけではない。今はより西洋医学中心の大学になりつつあると言える。
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[編集] 沿革
- 1925年 山崎鍼灸学院創設
- 1927年 明治鍼灸学院に改称
- 1978年 明治鍼灸短期大学開学
- 1982年 明治鍼灸短期大学附属東洋医学研究所開設
- 1983年 明治鍼灸大学開学
- 1987年 明治鍼灸大学附属病院開院、明治鍼灸大学附属メディカルMRセンター開設
- 1989年 明治鍼灸大学附属鍼灸センター開設
- 1991年 明治鍼灸大学大学院鍼灸学研究科開設
- 2002年 明治鍼灸大学医療技術短期大学部柔道整復学科設置。
- 2004年 明治鍼灸大学柔道整復学科設置。
- 2006年 明治鍼灸大学看護学部看護学科を4月より新設予定
[編集] 学部・学科
[編集] 大学院
- 鍼灸学研究科
- 鍼灸学専攻
- 東洋医学基礎
- 鍼灸基礎医学
- I.形態学系領域
- II.機能学系領域
- III.免疫・生化学系領域
- 鍼灸臨床医学
- I.臨床鍼灸医学系領域
- II.健康鍼灸医学系領域
- III.老年鍼灸医学系領域
- 鍼灸学専攻
[編集] 関連項目
日本で2番目の鍼灸大学として、2003年度に大阪府に関西鍼灸大学が設置された(1985年設置の関西鍼灸短期大学が母体)。同校は2007年度に関西医療大学に校名変更予定。