映写
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映写(projection)とは、写真フィルムに現像された一連の静止画を透過光とレンズを用いてスクリーン上に映し出す方法。
映画の場合には残像現象を利用して動きおよびコンティニュイティ(連続性)の錯覚を引き起こすような速さで断続的に映し出し、動画として見せる。以下ではこれについて述べる。
サイレント映画時代の映像は毎秒16フレーム(16コマ)投影された。そして、サウンドが加えられると毎秒24フレーム(24コマ)になった。
比較的最近まで、プログラムを取り仕切るために、映画館の1つの映写室に1人の熟練した映写技師を必要としていた。その主な理由はフィーチャー映画(長編映画)がフィルムの標準リール1本以上の長さで上映されるために、同調させた2台の映写機を用いて上映中の中断を避けたからである。
映写技師は、観客席の照明や音響のみならず、リールの交換や映写機にフィルムを装填するなどといった複雑な仕事に責任を持っていた。
今日、ほとんどのマルチプレックスでは、多くのスクリーンでの映写を1つの自動化装置(特にプラッターシステムと呼ばれることもある)によってコントロールしている。また自動化装置はフィルム自体に仕掛けられた信号によって映画館の音響と照明システムをコントロールするシステムをそなえている。
自動化によってその他の映写技術も大部分が自動化された。例えば異なるアスペクト比を出すための映写機のアパーチャーのマスキングもそうである。
近年は媒体がフィルムに代わりデジタルデータに、映写機もプロジェクタなどに代わりつつあり、このような機材を用いたデジタル投影に代わりつつある。
一般的に言って、映写技師の必要性を失いつつあり、コンピュータ技師のサービスを必要としている。