朴葉寿司
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朴葉寿司(ほおばずし)は岐阜県の飛騨地方の南部から東濃・中濃地方、長野県木曽地方の郷土料理。奈良県の吉野地方でも作られている。
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[編集] 岐阜県
朴の木の葉を使うことは共通しているが、地域により作り方が大きく異なっている。ただし、飛騨地方と東濃・中濃地方は隣接しているため、作り方は両者が混在しており、明確な線引きは難しい。
[編集] 飛騨地方南部
まず鮭(飛騨地方では鱒という)を1cmほどの大きさに切り、酢に1時間ほど浸ける。その間にミョウガの若い茎を細かく切る。ご飯を炊く。大きな鉢を用意し、ご飯、鮭(酢ごと)、ミョウガを交互に均等に混ざるように入れていく。全部入れ終わったら、上を朴葉で覆う。しかし、上には重しをのせない。家庭によっては、筍など他の具を入れることもあり、家により味が異なっている。しかし、比較的、具の数は少ない。
食べるときは、各自が朴葉を持ち、しゃもじで鉢から寿司を取り出し朴葉に盛り、サンショウの葉を入れて、握りながら食べる。この時、朴葉とサンショウの香りが漂う。
残った寿司は、朴葉に挟んで、サンショウの葉を入れて包み保存する。店などで売られているのはこの状態である。
[編集] 東濃・中濃・長野県木曽地方
農作業などに携帯できる食事として重宝がられてきた。
事前に酢飯を作る。朴葉に、酢飯をのせ、その上にいろいろな具をのせていく。具は切り身の鮭、川魚の甘露煮、舞茸、ワラビ、きゃらぶき、紅ショウガなどバラエティに富んでいる。家庭によりのせる具も変わってくる。
[編集] 中濃地方北部
郡上地方とも言われる地域。
寿司桶で事前に酢飯を作る。そこに、じゃこ、煮付けたニンジン、ゴボウ、椎茸、鮭などを入れよく混ぜる。でき上がった寿司を朴葉に包んでいき、桶などに並べ、上から軽く重しをのせる。