松平定英

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松平定英（まつだいらさだひで、1696年 10月1日（元禄9年9月6日） - 1733年 7月2日（享保18年5月21日））は、江戸時代の大名である。伊予松山藩5代藩主。官位官職は従四位下、隠岐守。父は松平隠岐守定直。母は側室光樹院殿渡部氏の女。正室は島津綱貴の娘。子に定喬、定功。

[編集] 経歴

元禄9年（1696年）9月6日生まれ。幼名は百助。通称は刑部。

1710年（宝永7年）、従五位下飛騨守に任ぜられる。

1718年（享保3年）、江戸より松山藩松平家世嗣として帰国。松山城二ノ丸に入る。

1720年（享保5年）、父定直の卒去により遺領松山藩15万石を継承した。その3日後、隠岐守に転任。家督継承に際し、父定直の遺言にしたがって内分1万石を弟松平主計頭定章（まつだいらかずえのかみさだあきら）に分知。これにより松山藩内に松山新田藩1万石が誕生した。

1722年（享保7年）、従四位下に昇る。

定英の治世は気象災害が多発し、遂には1732年（享保17年）、長雨ののちのウンカ大発生による大飢饉が松山藩を襲った。この年の米の収穫高は皆無であり、松山藩領民は飢えに苦しみ、死者は3,500人を数えた。その中には、松前村の農民義農作兵衛も含まれている。しかし、逆に藩士には1人の死者も出ず領民への苛政を咎められた。これにより定英は幕府より差控（謹慎処分）を受けた。翌年4月19日に許されるも、5月21日江戸松山藩邸愛宕下上屋敷にて気絶し、そのまま卒した。享年38。

法号は天楽院殿前隠州従四位下奏誉尊勝咸然大居士。遺骸は三田済海寺で荼毘に付され、遺骨は同寺に葬られた。遺髪は松山大林寺へ送られ法要が営まれた。これにより、藩主の墓は江戸に営まれ、遺髪が国許に送られるようになった。